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 第一二〇回 ('06年10月1日放送)
  「安倍内閣に告ぐ」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 渡辺恒雄 氏

安倍新総理の下でのポストが出揃いました。しかし、ご祝儀ムードも週明けには一転、所信表明演説に対する各党の代表質問も始まり、まったなしのスタートです。

新しい内閣の船出にあたって、中曽根元総理と、政治記者として数々の総理大臣誕生をご覧になってきた渡辺さんというビッグゲストのお二人にお話しをうかがいました。



― 安倍内閣の支持率が高いが?
中曽根

「安倍君の若さと新鮮さ、それと大体内閣全体が安全運転、秀才内閣というか、そういう安定感があるんですね。そこで安倍君の新鮮さが加わったと思いますね」

― 安倍新内閣は?
中曽根

「ま、優等生内閣ですよね。あんまり無茶やるような、蛮行をやるような、腕白者はいないと。みんな秀才面してる。なんていいますかな、学校の成績のいい人達ばかりだという感じですね」

渡辺

「派閥均衡、論功行賞ごぼう抜き内閣」

― 意外だったのは?
渡辺

「意外なのはね、大田弘子っていう人ですね。これ見たことも聞いたこともないんで。経済財政諮問会議の中核になるわけでしょ。内閣の経済財政政策を決めるんだけれども、この前は竹中さんとか与謝野馨さんとか、まあ口八丁手八丁の続いたわけだけど。この人は党側にいってね、党のいろんな調査会とか部会とか、まあ三役の会議もあるけども、そういうところに出てね、押し捲ることできるかなぁと。で、まだ委員の名前決まってませんからね。御手洗さんが入るだろうってだけであって、あと決まってないし、僕は結論言えば、経済財政諮問会議が今まで果たしてきた重み役割、そういうものが相当地盤沈下すると思いますね」

― 自民党三役は?
中曽根

「両方とも中川ですからね(笑) 幹事長も政調会長も。しかし、両中川ともいい人選だと思いますよ。幹事長の方は割合になんていうか、凄腕というかね、表も裏も全部知って地下までもぐりこめるというような幹事長ですよ。政調会長の方はね、割合に純粋性で政策本位っていう非常に理詰めでいく。しかも、割合にこう庶民のことをよく知っていると。そういう意味でこのコンビは非常にいいコンビを選んだと思いますね」

岩見

「まとめ役の丹羽総務会長ってのはどうでしょう?」

渡辺

「丹羽君はぼくが読売新聞の政治部長の時の政治部記者で非常に親しいんですけれども、社会保障に関してはまあ自民党随一ですよね。で、あの厄介なもの今までこうやってきたわけだから、中曽根さんのおっしゃったようにまとめ役としてはいいんじゃないですかね」

岩見

「そうですか。じゃあまあ三役はまあまあということになりますね」

中曽根

「そうです。この内閣、この政権は三役でもつと、感じはそうですね、三役と総裁・総理でもつとそういう感じですね」

― 首相補佐官が5人になったが?
中曽根

「日本の場合は議員内閣制で大統領制ではない。そこでアメリカのやり方を真似してやってみても、この補佐官がよっぽどしっかりした、煮ても焼いても食えないような豪腕の人なら動けるけど、各省との対立もそのうちに起こる危険がある。そうなると、結局、政調会長が出てかなくちゃいかんと…。だから、総理をわずらわすといのでは、総理が忙しくてしょうがないですよ。だから、はじめてこういう制度をやってアメリカを真似してやってきたけれども、日本流にこれをもっていくには総理大臣がよっぽどしっかりして、異例を行われるようにすると同時に、政調会長に各省との間の調整をやらせるという特別の配慮をしないと、これだけの風鈴を飾っても上手くいくとは思いませんね」

― アジア外交は?
中曽根

「韓国も中国も歩み寄ろうとしているわけです。またはそういうゼスチャーを示して新しい内閣がある程度考えを前進させる。それをいざなうようなゼスチャーもでてきてるわけです。それに対して日本側がどういう態度で出るかと。わたしはある程度踏み切ったらいいと。やっぱり政治っていうものはね、内外にはっきりさせないといけない。だから靖国問題どうするんだと、そういうような考えについて、例えばわたしならね、その、分祀分霊をやると。それができるまではね、私は参拝を自重すると、慎重にやると」

渡辺

「分祀するまでは行かないとはっきり言ったらいいと思うんですよ。行くとも行かないともいわないってのは一番いけないですね」

― 今後の政局のポイントは?
中曽根

「一番大事のはね、今月行われる補欠選挙ですよ。大阪と神奈川でありますがね、これが安倍内閣のスタートで点数が取れるかどうかっていう問題ですよ。しかし、ちょっと不安がありましたけどね、民主党の親玉さんがちょっと欠席している状況で、これで一息つけるかどうかと。大体一対一ぐらいの分けになりゃせんかと、見るのが大方でした」

― 安倍総理に一言
中曽根

「安倍さんの考えていること、これからやろうとしている政治の方針、これはいいもんだ、立派なもんだ。特に52歳の若い世代がはじめて総理大臣になったんですから日本中が注目してるし、みんな応援してくれていると思いますよ。その期待に応えるについては決断力ですね。万人がこういってもこれが正しいという場合には断固としてやるということを見せると。やっぱりあいまいがいけないと…」

渡辺

「本当にあいまいなのが一番いけないんで決断と実行。それから古い、今までの自民党の古い考え方で適応しないものはどんどん捨てて変身することも必要だと思うんですね。外交は柔軟に。内政には時間かかりますけど外交はすぐですから」




 
   
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