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 第一一八回 ('06年9月17日放送)
  「『安倍新総理』へ…」

  ゲスト: 山崎拓 氏 / 加藤紘一 氏

総裁選挙というよりも、いわば「安倍新総理お披露目行脚」とでも言うんでしょうか。なおも各地で続いていますが、その中で明らかになってきた安倍さんの新戦略。どうやら自民党の中では見えないところで「最終戦争」ともいうべき闘いの火蓋が切られたようです。熱くなる一方のポストを狙った「功名が辻」。大臣などのポストは限られていて、、修羅場の予感がしてきます。その中、山崎さん、加藤さんはどんな戦略で今後攻めていくのか…、ズバリ伺いました。



― 安倍氏の参院候補見直し発言は、角福戦争の最終ラウンド?
加藤

「まあ、派閥はなくなって弱体化したけれども、角福戦争の時からみると、田中派が凋落して、それで福田・森系というのが大きくなったと…。数でみるとだいたいそうなってるんですね。それの最終戦みたいな感じ…。福田派でもない、角栄派でもない、我々常識的な派閥としては、派閥にいた人間としては、そこまでやるのかなあという感じがします」

― 安倍氏の「よこしま」発言は?
加藤

「この間の戦争がどうだったのか。そういう問題の深いところが…、みんな考えて靖国問題っていうのは最終的にはそこにいくわけですから。みんな考えている国民は、じゃあ、『よこしま』なのかと。それから、ある大きな新聞は戦争責任の問題と靖国を一年半かけて、ある意味では総力をあげて検証してますね。そうするとその新聞は『よこしま』な新聞か、と考えたらどうですかね。僕はあるところで、『少し国語力を磨いてほしい』と言ったんですけど」

山崎

「外交、政治問題にすでになってるんです、これ。日本がそうでないといったって、外交っていのは相手の国があっての外交ですから。相手の国が問題にしているっていうことは明らかなんで、別に我々がそれを発展させようなんてことは夢にも考えているわけではない。現実がそうなんですね。現実が『よこしま』な現実であるということでしょうけども。それじゃあ外交はなりたたない。アジア外交っていうのはなりたたないと思いますんで、日中国交の現在の状況の改善、中国側も新総理の出現によりまして、気分転換を強く希望し、期待しているというふうに私は受け止めてますけども、それを裏切る結果になるんじゃないでしょうかね」

― 前代未聞の猟官運動が始まっていますね?
山崎

「だから、これ結果が出ますから。そうすると、みんな経験則からわかってくるんですよね。そんなにポストはないんだっていうことを実感するわけですからね。本当に重要ポストって言うのは、党三役入れて20ですよ。つまりSPがつくポストっていうのは20しかないんですよ。みんなここに指向している人たちは、245人ほとんどそうだと思いますけど、20人のうちの一人になろうと考査していると思いますよ。それは小泉総理がそういう抜擢したから。一年生でもそういう風に思っている人結構いますよ。だからね、期待必ず外れるわけですよ。期待はずれに終わるわけですよ。仕方ないですよ。僕ら初めから期待していなかったから、長い間。当選5,6回なるまで期待したことなかったから、よかったんだけど。今はもう一年生から期待していますからね。厄介ですよ」

加藤

「現に安倍陣営の20人の推薦の枠に入るかどうかで熾烈な戦いをやったって聞いていますからね。僕は谷垣君を応援してたけども、そっちの方は20人集まるかどうか大変だったわけですけど。だからこれはちょっと異常な話になっています」

― 反対勢力を党外に追い出したということが根っこにある。
加藤

「大きいと思いますね。この間の郵政刺客戦争で、あんだけ激しいのを見せ付けられたわけですからね。で、亀井さん平沼さん野田聖子さん堀内さん、そうそうたる選挙に圧倒的に強いといわれた人でも、今追い出された形になったから…。選挙をやっと当選という立場の人、若い人はかなりトラウマが残っていると思いますね。あの衝撃で脳震盪を受けて、まだ痺れが残っているようなところありますからね。逆に言えば、昔の派閥の方が元気だったんじゃないかと…。派閥けしからん派閥けしからん、自民党の古さだと。メディアにたたかれたけども。今、派閥の力学が懐かしいねというようになりましたね。その派閥をなくするために、小選挙区を導入して、導入するとき小泉さんも、こんなことやったら派閥全部消えちゃって、党総裁の独裁になるぞっと、公認権も手にして、それでいいのかってやったら、皮肉にもそういう状況に、小泉さんの時代になっちゃったと。だから私は小選挙区には徹底的に反対したんだけども。もう一回本当は考え直さないといかんと思います」

山崎

「それは党内で論争がなくなりますからね、結局自民党対民主党のはっきりした対立関係になると思います。ですから、その自民党に党が結束して民主党に戦うという姿勢が生まれるかどうかっていうことが非常に問題ですね」

― 安倍氏に一言
山崎

「期待に応えるためには肩肘張らずに、ゆったりとした気持ちで、よく皆さんの意見を聞いておやりになったほうがいいと思います」

加藤

「周辺に意見を言ってくれる側近を持つことだと思います。こんだけ圧倒的に勝つと、王様になっちゃいますから。その危うさがでないようにしてほしいですね」




 
   
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