「私も、加藤さんがおっしゃいました通りあの本読んでみましてね、東京裁判を否定される立場にたっておられるということを痛感しましたね。そうなりますとね、まずあの戦争は間違った戦争じゃなかったということにするかですね、いわゆる聖戦をとるか、あるいは戦争責任者はあの時裁かれた人以外にいると、いうことになります。論理上ですね。どっちかですね。戦争責任は無いとするのか、別にいるとするのかそういうことになるでしょ。そうなりますと、ひじょうにおかしなことになるんですね。それから戦後の政治を、日本史というものを真っ向から否定しなきゃならんということになると。それをずっと戦後政治で育ってきた自民党の政治家がそんなこといっていいんだろうかと、いうことが一つあります。
それからもう一つは、古賀誠遺族会会長とですね、最近意見を交換したことがあるんですけどね。彼はいわれましたことはね、彼のお父さんがそのケースなんですが、戦争に赤紙一枚で召集されて戦地においてですね、散華された人を奉ってあると…。それと赤紙を出した人ですね、戦争に駆り立てた人と一緒に奉られてると、いわゆる命令者とそれに従った者と一緒に祭られてるのはおかしなことだということをちょっとおっしゃったんですが、彼は遺族であるだけにですね、私はその点、感に打たれたわけでございます。まあ、今度のことはですね、こっそり行っておられるわけですね、何故正々堂々といかれないのかと、だから行くということに、行かなきゃならない気持ちの上での何かがあったんじゃないかということがひとつと、あるいは靖国神社にですね、何かまあ悪い言葉でいうなら媚を売るために行ったというふうにとられても仕方が無い。これ隠してるからね、で、今ごろになって何故表に出てきたかもわからないけども、4ヶ月もたってですね」
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