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 第一一二回 ('06年7月30日放送)
  「『福田ショック』から考える『政治の現在』」

  ゲスト: 森喜朗 氏 / 綿貫民輔 氏

安倍氏対福田氏で戦われるものとばかり思っていた総裁選。ここにきて福田氏が出馬を見送ってしまいました。一体その裏には何があるのでしょうか。そして、一枚岩といえば聞こえはいいですが、このところ自民党内から総理大臣への批判が聞かれなくなって久しいのも気になるところです。

今回は、安倍氏も福田氏も所属している最大派閥の森派の領袖、森さんと昨年小泉総理に反旗を翻して自民党を出て行った綿貫さんをお招き致して、裏話をお話し頂きました。



― 福田康夫氏はなぜ出馬しなかったのか?

「うーん、私もね、本当の真意ってなかなかわかりませんが、ずいぶん悩んではおられたようですね。で、自分に対する期待が大きくなってくる。そのことはある意味では安倍さんを苦しめることになる、という思いもあったんじゃないかと思いますね。僕はだいぶ前にこういうこと言ったことありますよ、記者団に。福田さんは安倍くんがやろう、やりたいと言ってる時に駄目だ僕が先だよ、君はまだ若い、というようなことを言う性格ではないということを私は早くからそう言ってました」

綿貫

「私はね、去年の今ごろは暑い夏でね、郵政民営化でね、長期会期延長でね、がんがんやってたんですね。今年はね、もう会期延長しないってね、総理大臣が国会に命令してね、さっさと店じまいしちゃったんですね。私はこれはね、やっぱりその、小泉劇場の第二幕、自民党総裁選挙の巻っていうのは仕組まれたんじゃないかと思ってるんですね。そうすると何かね、森さんもいるけども、何か出来レースみたいな形で、僕は最初から本当に福田さん出るのかなあと、思ってましたよ」

― 8月の末ごろに正式表明するというはなしもあったが?

「ま、そうですね。そういうお気持ちも私は若干あったのかなっていうことも考えられますけどね。やはりその北朝鮮のミサイル問題もあったしですね、それからやっぱり、どうしたって靖国問題っていうのが、こう議論の中に入っていく、そういうことに、こうみんな巻き込んでしまうっていうことに対するやはりご自分のお気持ち、それからやっぱり70歳っていう歳になったんでね、もう自分が出てそして安倍君、まあハッキリ言えば息子みたいな歳ですからね。息子さんと争うってことに対してやっぱ本人は遠慮があったというふうに思いますね」

― 小泉総理というのは、やっぱりちょっと扱いにくい?

「まあ公認の公的立場の時には中々そういうこともありますけどね、しかし私的に会えばそんなところはないです。個人的にっていえばね、綿貫さんと小泉さんは一番仲良かったんです。大学の先輩後輩でね。一番お二人でね、酒をしょっちゅう飲んでおられたの、一番ね、だからぼくらからみると、そういう綿貫さんにどうしてああいう態度とれるのかなというのは、私は絶えずありましたねえ」

綿貫

「私はやっぱり公私の別はね、ちょっとはっきりしないといけないですね。この郵政民営化の時もみなさんが、森さんも安倍さんも中に入ってね、話し合えっていうんですが、私の後ろには二百数十人のねみんさんが、もう目を光らせてますから、そこでね、飲んでまあまあまあまあなんてわけにはいかんので、わたくしはできるだけ接触しないようにしてたんですね。だけど小泉さんっていうのは不思議な人ですね、何やってもマスコミがあんまり悪く書かない、森さん何てのはもう『神の国発言』から『えひめ丸』の時からもうしょっちゅう叩かれてた。何で小泉総理だけがみな書かないのかなっと思うんですがね」

― 小泉政治」5年の評価は?
綿貫

「例えば一番最初にね、米百表でね、もう森さんは文教族だからいかにも教育問題、とりこむというような姿勢を示しましたけどもね。あと一切、そのナシで、一番終わりになって今度は教育基本法ね、あわてて詰め込んでね、審議するのかと思ったら時間があるのに、シャッター下ろしてね、店に並べただけと、こういうね、教育問題一つとってもですね、こういうまあ竜頭蛇尾というか、大変無責任というか、やっぱりさっきのテクニックが上手いといわれりゃ、上手いんですが、政治はテクニックじゃなし、やっぱり実質の誠意と実行ですからね、そういう点から考えると大変に、まあ政治を操るのは上手いけれど、中身はわたくしは全然国民のことを考えていないんじゃないかと…」


「うんまあ、反論といいますかね、小泉さん、そういう意味では自民党の中でもやっぱりやらなければならんことが結構あったと思いますね。どうしてもやはり、官僚との間でお互いに、もたれあいみたいなことできたのが随分あると思いますよ。

それからそういうところは思い切ってメスを入れていったと、いうことは私良かったと思いますよ。というのはね、ぼくらでもそうですし、綿貫さんもそうですが、長い間国会やってますとね、役所の気持ちも分からんじゃないわけですね。ついついそのある意味では同情もするし、理解もする。ちょっとそれはかわいそうかな、なんて思いますけどね、小泉さんっていう方は、ほとんどそういう、まあ仕事はされてこなかったですよ、党におられてもね。

まあ大蔵委員会非常に長くてそれで郵政については大変な、まあなんて言うか、こだわりというか信念というものをもっておられる。その他のことについては何もそんな議論は加わっておられたことはない。ですから割とその人間関係は無いといっていいと思いますね。ですから、割とバサバサっとやっていけるんでしょうね。そういうところが、思い切って手術をしていくっていう意味で、よかったんじゃないかと思いますよ。

しかし何もかも全て切ってしまっていいものでもないですしね。大事に残していかなきゃならんものもあったというふうに思いますね。ま、そこを党がもう少しカバーしていくべきだったと思うんですけども、残念ながら党も完全に小泉マジックに…」

― 次の総理に一言
綿貫

「やっぱりその改革とかね、それから官か民へとかね、ワンフレーズでね、何でも片付けてしまうね、しかも改革がベストだということで、変えてはならないものも変えるような日本の伝統文化とかね、こういうものまで変えてしまうようなこんな政治は駄目ですね。だから改革ロボットにならないように。小泉さんのそっくり症にならないように」

「私もやっぱりそうだと思います。安倍さんにはね、小泉亜流であってはイカンと思ってます」

岩見

「安倍さんには、っていうのは安倍さんで大体決まったと」

「いや、わたしは安倍さんの一応応援する立場ですからね。そういう思いですね」




 
   
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