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 第一一一回 ('06年7月23日放送)
  「米中の狭間で 〜どうする日本」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 渡部恒三 氏

北朝鮮への国連決議をめぐる問題。そして、サンクトペテルブルクサミットなどで気になることがあります。それは中国に気を遣うアメリカの様子です。それに対して日本はサミットでも中国との首脳会談ができないなど感情的な対立が目立ちます。

そんな中、昭和天皇が靖国神社へのA級戦犯の合祀に不快感を示していたというスクープもあり、総裁選に向けた永田町は風雲急をつげています。政局の鬼の異名を持つ野中さんと与野党の裏を知る渡部さんに縦横無尽に語って頂きました。



― 北朝鮮ミサイル発射、日本側の態度そして各国の反応は?
野中

「この事件は、やっぱりアメリカもアメリカなりに日本と一緒になって絵を描いて落しどころを考えてきたし、中国、ロシアも連携しながら、アメリカとこの三カ国が落し方と考えてきたと思うんですね。日本だけが飛びぬけて勇ましくいって国民の共感を呼んだけれども、最後はサミットの直前に、一番大切な7章を、絶対だとゆうておったのを、下ろされて従わざるを得なかったという、大変取り返しのつかない失点を犯したと思いますね」

渡部

「『今、北朝鮮けしからん』、『靖国神社にお参りするの何がわるいんだ』、大部分の国民の気持ちは、『そうだそうだ』ってことになりますよ。しかしそれが危険なんですね。場合によっては国民のみなさんからお叱りを受けるようなことを言うのが、長い歴史を見れば本当の外交官だったり…。

日露戦争の時、一番良い例ですが、勝ってる戦争なぜ止めるんだって叱られたでしょ、小村寿太郎ですか。しかし小村寿太郎がいたから、やっぱり平和だと。戦争中だって渋沢栄一とか、色々非国民と言われるような人があって、やっぱりアメリカと日本が仲良くしなけりゃ発展しないってやつが非国民だったんですから、あの頃は。今はもう何でもアメリカのいうこときく。残念ながら外交については日本はスタンスが無いんですね」

― 小泉総理の靖国参拝は?
渡部

「わたくしは今はお参りしてますよ、靖国神社に。しかしもし総理大臣になったら、在任中は参拝しません。あの靖国神社に祭ってあるみなさんの99.99パーセントの人は皆戦争の犠牲者なんですから…。

わたくしはもう二度とこの国に戦争を起こさないために世界の平和のために、あの近隣諸国と友好をするために、総理大臣在任中は参拝いたしませんと言えば、もう英霊のみんなが、『ああ渡部君、総理大臣在任中はお参りこなくていいよと、世界の国々と仲良くしてもう二度と戦争、我々のような悲しい思いをさせないでくれ』って、喜んでくれると思います。それを、ただ自民党の総裁選挙でね、橋本君が遺族会会長だった頃に対抗してね、遺族会の党員の投票をとろうなんてことでね、総理大臣なったらね、参拝しますなんて、まずスタートから動機が不純なんですよ」


野中

「天皇陛下のために、一命をささげると、今度会うときは靖国で会おうと、私達もそう言ってきたんですから。だから、本当に靖国おる人たちは一銭五厘の赤紙で出されて親や子供を残した悲劇の人たちと戦争遂行した指揮官とが一緒にまつられてるんですから…。ひじょうに靖国神社自身も矛盾してると思うんですよ。決して8月15日、喧騒の森になるのを英霊は喜んでない。わたくしはそう思います」




 
   
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