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 第一一〇回 ('06年7月16日放送)
  「強硬日本〜世界も驚く日本の姿」

  ゲスト: 瀬戸内寂聴 氏 / 藤井裕久 氏

日本は北朝鮮のテポドン発射への対応に追われています。珍しく日本が国連でがんばってアメリカと共同歩調をとるかと思いました。しかし、中国やロシアは一線を画し、複雑な経過を辿りました。しかし、そもそも最初に日本が持った強硬論ですけれども、その先の戦略があったのでしょうか。

ポスト小泉政治、いわゆるポピュリズム政治がポスト小泉にまで続きはしないかと、心配も浮かんできます。今日は歯に衣着せぬ物言いで知られる瀬戸内さんと政治の裏表を知る藤井さんに思いの丈を語っていただきました。



― 北朝鮮のミサイル発射は?
瀬戸内

「北朝鮮は何を考えているのかわからない国ですから、いくら私達がそんなことしてくれるなって言っても、またするかもしれませんでしょ。何かカミナリさんみたいですね。勝手にボコボコ落ちてくるからね、なんとなくこっちは絶望的ですね。避雷針がみたいなものをはやく発明してね、みんな家中で避雷針、向うから飛んできたら、それを防ごう、そうでもしないとですね、何か強行にやったら、もっと強硬な何かがでてくるかもしれない、それは恐いですね」

藤井

「北朝鮮のあのやり口、瀬戸際外交なんてテレビでいってますけどね、もうそこが割れてるんですよね。1993年の時には日朝交渉がうまくいかなかった、やった。そしたら、アメリカが手を差し伸べて軽水炉の提供をした、というようなことですね。それから、98年の時は日本でどうも拉致の話が、ひじょうにに大きくなってきた。それじゃあこれ一つ脅かしてやれ、ということを言ってきた。で、その結果がさっきの1999年の米朝合意になって、また少し緩めてやるっていうこと。その連続ですからね。相手になんか出来ない話なんですね」

― 日本(単独)の経済制裁は?
藤井

「私は反対です。なぜかというと、一つ日本が単独でやったとしましょうか、これは必ず失敗します。例えば昭和54年、アフガニスタンにソ連が入った時に、アメリカが制裁をやりました。ところが、穀物輸出国は初めからどんどん破りましたね。それから先端技術は独仏が、どんどん破りました。で、結局アフガニスタンからソ連が出ってのは10年先なんですね。ゴルバチョフが体制変えてそれで帰ったわけですね。それが一つです。それから、第二番目は、軍備に結びつく、武力行使に結びついていくという恐れが非常にあるんですね」

― 「敵基地攻撃論」は?
藤井

「日本の安全政策を間違う大きな一つだと思ってます。専守防衛という、これは憲法にどう書いてるかは別にしましてね、国是ですよね。それを明らかに違反しているし、自民党の中でも、これはおかしいと言ってる有力な人もいるわけですね。だから、こういう考え方をこういう異常な時にですね、持ち出すということに対しては非常に大きな抵抗を感じます。うん、もっと冷静になるべきですね」

瀬戸内

「危ないですね。とても危ないです。結局、そういうものをもったら戦争になるわけでしょ。相手のところに、もう戦争がはじまるってことですよね。やっぱりとても恐いですね。今だって、日本には何もないわけでしょ、そういう攻撃する力が。こういうものを攻撃する力をもつにはどれくらい時間がかかるんですか。お金と時間が。それが間に合わないでしょ、今の今。もうそんなこと言ってる間にまたきますよ、次が…」

― 中国、韓国の反応は?
瀬戸内

「それはもう日本は戦争好きだということ、みんな彼らは身にしみて思ってますからね。またやるんじゃないかと思いますわね。ただ、今の日本にその力がないでしょ。すると結局アメリカのお世話になるわけでしょ。でもアメリカがどうですかね、アメリカの一般の人たちがその日本を助けてやれなんていいますかしらね」

― 日本の強硬論は?
瀬戸内

「戦争が起こるなんて時は、理屈とか色んな意見がなくなるんです。もう波のようにどうっとね、勢いがきましてですね、あっと気が付いたら戦争なんですよね」

藤井

「戦争経験者だからよくわかる」

瀬戸内

「だから恐い、とても恐いと思いますよ。そういう常識とか良識がね、通らないってことがあるんで、それがもう勢いです」

― 自民党総裁選、世論調査では安倍官房長官が有利だが?
瀬戸内

「ちょっと分からないですけど、でも、安倍さんだったらね、結局小泉さんの線をずっとそのまんまで行くわけでしょ。それじゃあやっぱりちょっと変えた方がいいんじゃないかと思うんですけどね」

藤井

「これは、人気投票ですし、一方の方(福田氏)は、さっきからお話に出ているように、出るか出ないかわからないっていえば、数字は落ちますね。わたくしは、この四人(麻垣康三)っていうなら福田さんの方がいいが、まだいるんじゃないのと…。終始わたくしも同じだし、瀬戸内さんと今日はじめてお目にかかりましたが、同じ意見ですね。やっぱり、目先をかえないとね、外交は直りません。今の日中関係はめちゃくちゃですから。このめちゃくちゃな状況でいったらね、アジアの平和がなきゃね、これもいつも言いますよね、日本の安全もないんですよね」




 
   
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