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 第一〇七回 ('06年6月25日放送)
  「政権の合間に…」

  ゲスト: 塩川正十郎 氏 / 藤井裕久 氏

北朝鮮のテポドンミサイルの話、日銀総裁が村上ファンドに出資していた話などなど、すったもんだが続きました。しかしその一方で、小泉総理大臣の指示で国会が閉幕となり、政治の姿が見えてきません。小泉劇場の幕引きからポスト小泉までの幕間の状態となっている現在、日本の政治は大丈夫なのでしょうか。



― 日銀・福井総裁は?
藤井

「最高責任者がリスク資産について、しかもこのような額で儲かるということは、少なくとも日銀にお入りになるときには、この責任の重さから考えて、明らかにこれは縁を切っておかなきゃいけないと思いますね。よくあるじゃないですか、『ノーブレスオブリージ』ってローマの根。それを守ったときのローマは反映して、それがルーズになったときのローマは滅びているわけですから」

※ノーブレスオブリージ
高い身分の人には、果たさなければならない社会的責任と義務がある

塩川

「(福井総裁を)ええ、よく知っていますよ。私は日銀の総裁になられたときに、推薦した一人なんです。あの人は、人間としては非常にすばらしいものもていて、うっかりしとったんだと思うんすよ。だから今、藤井さんよりもですね、日銀という立場から考えるとね、もっと慎重に考えるべきだと。自分で忘れとったんじゃないんですかね?ええ、それにしてはちょっと迂闊すぎますね」

藤井

「偉い人はですね、うっかりじゃ済まないんですね。やっぱり世間はね、ご承知のようにね、定期預金も1%になってないわけですからね。それが倍になっているわけですね。これはね、多くの人は許してないと思いますね。しかもですね、これは穿った見方かもしれませんがね、平成18年の3月に総量の長期緩和政策をやめたんですね。その一ヶ月前にですね、これをその処分するというか、これはなんと言うか、穿ついかもしれないんですよ、世間はそう見ますね。つまりその総量をやめる、抑える、拡大していることをやめるということはね、金利が上がることを意味してるんですね。金利が上がるということは、株が下がるということを意味しているんですね。ですから、その前に処分しておこうと、これ嘘か本当かは分からないですよ。だけどね、それこそ李下に冠を正さずってのがありますな。スモモの下にいたらね、手を上に上げちゃいけないと、手を上に上げたら、スモモを盗んだんだろうと、こういう分に見られるという例えですな」

― 北朝鮮のミサイル発射準備は?
藤井

「今の国連の原則は、まず平和的解決ということをいってますね。その平和的解決の中には、六カ国協議もちゃんと入っているわけですね。それから、今政府でいっておられる、国連安保理にもっていく、安保理にもっていくのも、世に言うその第六章というやつね。平和的解決の手段として安保理にもっていくのもあるわけですね。それを、ペリーっていうんですか、前の国防長官がですね、もうその段階過ぎちゃったよと、こう言ってますね。ですから、それは判断の問題があるのかもしれませんがね、やはりまだね、六カ国協議というようなものを、もう一度開く努力をする必要が、僕はあると思いますね。いきなり制裁の話にはいっていくのかね?ちょっとワンクッションあるんじゃないでしょうか」

塩川

「これ、国家なんでしょうかね、北朝鮮というのは。僕は国家とはどうも認識出来ないような状態ですね。そこでね、六カ国協議も大事ですけどね、その前に一度ですね、非常にやっかいな話ですけれども、中国とロシアと北朝鮮と三国で一体どうするけえと、いうことを本当に真剣になって、中国とロシアが、相談に乗ってあげたらどうだろうと思いますね。もう北朝鮮は、方針がもうメチャメチャになっているんじゃないかと思いますよ。金融でしめられて…。わたくしは本当に親切心があるとするならば、中国とロシアが一体北朝鮮をどうするんだと、方針がでたらそれでその結果を六カ国協議でかけて、六カ国でみんな協力して、こうしようということにもっていったらいいんじゃないかと思うんですがね」

― 最近、何かゆるんでいないか?
藤井

「最後しめる時が、人間っていうのは一番大事なんですね。出だしは調子よくても、閉めるときが一番大事だと思いますね、そこに空白が出来ているように思うんですね。やっぱり小泉政治というのは、非常に言いにくいけど、手法はアジテーター的でしょ。ワンフレーズということもあるけど、アジテーター的なんです。そうするとね、国民にね、物を考えるね、余裕を与えないわけですね。要するにワンフレーズでいうと何か分かったようになるんですね、熱狂のなかでね」

― 福田氏の出馬は?
塩川

「福田さんは何かいってくれるだろうと思ってね、みんな期待しているのに対し、発言ないですね。ちょっと、本当に福田さんを応援してた人たちが、いらだってきてるんじゃないかと思うんですよね」

― アジア外交は?
藤井

「日本は、今まで、特に小泉さんといいましょうか、一方的にね、モノを押し付ける傾向があるんですね。やはり、同じ立場にたってですね、それで、これも言いにくいんたけど、小泉さんはね、アメリカと仲良くすれば日中の問題は片付くようなことをおっしゃってるんですよ。これまたひどい話なんですよ」

塩川

「いやね、これちょっと、私言わしてもらうとね、これいってるの、互いに相手の立場を思いやり、っていうのはどっちもですね。そうすると今藤井さんが話したのは、日本が中国の立場に立って、韓国の立場に立って、一方的ですね」

藤井

「そうじゃないですよ」

塩川

「だから、双方の話なんですよ。双方の話なんです。そこをですね、我々日本ではですね、一方的に、日本が折れなきゃ駄目なんだと、こういうことだったら私反対なんです」

藤井

「それはその通りですよ。あのね、それは、お互いは対等なんですよ」

岩見

「ただ小泉外交には、相手を思いやるのが少し薄い・・・」

塩川

「いや、それはね、出来ないんだ。どっちも出来ないようにしてるんだ。だからこっちができないようにしているんじゃないんです。むこうもできないようにしているんです。断るってこういってるんですからね。だからここはですね、何かの機会をつかわなしょうがないでしょう。一方的にね、日本が悪いにようなね、そういう印象あたえたら、ワシは国民は承知しないと思いますよ。」




 
   
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