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 第一〇五回 ('06年6月11日放送)
  「時代の寵児、村上氏も逮捕。そこから見えること」

  ゲスト: 山崎拓 氏 / 寺島実郎 氏

サッカーワールドカップ・ドイツ大会が開幕しました。一方、事件となった村上ファンドですけれどもこのわずか七年間でなんと2000億円も儲けていたといいます。そして、国会は多くの法案を残しながら、来週には閉幕ということです。政治はどうなっているのでしょうか?総裁選のキーマンである山崎さんと世界を飛び回る寺島さんに鋭く裏を語っていただきました。



― 村上容疑者の逮捕は?
山崎

「法律違反さえしなければいいと自ら言っているわけで、法律違反があれば、例えばインサイダー取引とか、そういう点があればやむを得ないでしょう」

寺島

「悪知恵の資本主義の開き直りみたいな感じですね。要するに、我々資本主義社会を生きていてね、このシステムに一定の正当性を感じてそれぞれが頑張っているわけですよね。で、そういう中でチャレンジする人を応援する国って表現していますけれども、ええ、極端に言えばですね、オレオレ詐欺だって、新しいビジネスモデルにチャレンジしているとも言えるわけですね。しかし犯罪行為になるようなことが許されるわけもないってことですね。で、資本主義社会のルールってことについて、あれもう一回真剣に考えてみるべきなんですね」

― アジア外交は?
寺島

「ワシントンの関係の人といろいろ議論してみて、アジアから孤立した日本への不安というものをもっている方たちがすごく増えてきているという印象がありますね。要するに、この先日本が、例えばアメリカにとってアジアにどういう風に存在してもらいたいかって言ったらですね、アメリカにとってやはり日本は、アジアに影響力を持った日本であってほしいとかですね。アメリカと連携してアジアと対等に向き合うなんていうはね、ある面じゃありがた迷惑で、要するにアジアに尊敬される、愛される日本であってくんないと困るよなってことがですね、ここんところ来て非常に、問題意識として高まってきてるんですね。それはなぜかっていうと、明らかに小泉政権っていうのはアメリカにとって見れば、大変な対米協調政権で大変におぼえめでたいと言えるくらいですね、その歓迎すべき政権だったと思うんですね。

もっといえばたぶん、その9月11日っていう事件が起こってですね、孤立しがちなアメリカにとってみればね、大変に、あの、ありがたい政権だったと思うんですね。だけどその日本が選択したことがですね、単に靖国の問題だけじゃなくてアジアの目線から見たらですね、要するに自主自立の日本に見えるかっていったらですね、どうもね、アメリカ周辺国としての日本としか見えないとですね、それが、じゃあもう21世紀のですねアジアのリーダーとかですね、アジアをどういうふうにたばねて連携していこうかっていうようなことが多くの人の関心になってる中でですね、日本は大丈夫かと、で、それだけの識見とですね、方向性をもった国なのかっていうことでですね、不安感としてこみ上げてきてる。アジアの国の外交官の人なんかと議論してみても。そこんところがですね、やはり、あの、日本人が今気付いてですね、これからの選択の中に生かしていかなきゃいけない大変なポイントだと思いますね」


山崎

「アジアの国々はですね、私はASEANの国よく周るんですけど、やはり日本と中国が仲良くしてもらいたいという強い希望をもっています。小泉総理の靖国参拝に関しましてね、一部の評論家はですね、アジアの諸国でそのことについて咎めるのはね、中国と韓国だけだと言い切っておられますけれどもね、実際に、他の国の指導者とね、会っておられないからそういうことを言うんで、わたくしは、色んなアセアンの国々の指導者とお会いして、直接意見を聞いておりますんでね、そのご意見のほとんどは、仲良くしてもらいたいと、何であの靖国神社にわざわざ小泉総理が行ってね、中国、韓国との関係を悪くするんだと、自分たちは迷惑していると、で、自分たちも賛成じゃないと、ただ言わないだけで賛成じゃないんだと、自分たちも戦争の被害を受けた国であるから、それを喜ぶはずがないって言われてね」

― 小泉総理の8月15日の靖国参拝は?
山崎

「まあ、あるんじゃないかという気がするんですけども、しかしそのことの影響は計り知れないものがありますんでね、総裁選挙にも影響がモロに出ると思いますので、まあそういうことからすると、小泉総理は思いがけないことを考えられるんでね、それで別の日を考えておられるのかもしれません」

寺島

「大変大きな注目点で、彼の、首相の論理を貫いたならば、山崎さんが以前から言われているように、8月15日にむしろね、自縄自縛でですね、行かざるを得なくなってくると思いますね。もう一回やわらかくね、置かれている状況を考え直す時じゃないかなと、私は思いますけどもね」




 
   
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