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 第一〇〇回 ('06年5月7日放送)
  「『小泉総理の残す大きすぎる宿題
  〜弱者救済と平和主義の行方』」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

折しもゴールデンウィークでニュースでは海外旅行の出国やら帰国やら。しかしその一方で悲しいニュースも続きます。

リストラをテコに景気は回復し、お金持ちはさらにお金持ちに…。それが経済の先導役を果たすとのかけ声とは裏腹に、貧しい人はさらに貧しくなっていないのかと。また、日本にあるアメリカ軍の移転問題では軍事機密だとかで途中が知らされないうちに、最後はアメリカで握手して日本の負担は三兆円だとか、でもその根拠はないだとか。

今何がおきているのか。歯に衣着せぬ発言で鳴らす野中さん、藤井さんにズバリ伺いました。



― 阪神と阪急の経営統合問題は?
野中

「どうなるんでしょうね。とにかくマネーゲームする人が球団まで手を出すというのはちょっといただけないし、しかも、今度は官僚であった人がああいうやり方をするというのは、我々オールドファンにとっては許せん事ですね」

藤井

「私は昭和12年から阪神ファンなんですよ。後楽園球場のすぐ傍に住んでましてね、一つのチームだけが勝つのはおかしいじゃないかという事から60年以上阪神ファンなんでございますよ。それでよく堀江さんの時出たように、人の心は金で買うと言ってるでしょ。今野中さん言われた通りでしてね、『阪神』という言葉はね、人の心の問題なんですね。それを金で買うと言うのは僕は絶対に許せないですよ。同じように思ってますね」

― 「格差批判は、小泉政権批判の裏返しだ」という小泉総理の発言は?
野中

「キャッチフレーズでね改革、改革と言いながら、改革で壊しちゃったんじゃないかと、日本という国そのものをね、壊しちゃったんじゃないかというような気がします。明日から国会が始まりますけど、緊張感がある国会が運営される事を期待します。けれども、どうも今の国会を見てると、そういう我々の期待に答えてくれる国会になるのかどうか、非常に心配をしております。まあ、小沢党首に代わりまして、あの原理原則のそして強固な信念を貫いてですね、いつまで続くか知りませんけど、やって欲しいと思いますね」


藤井

「全く総理が言う言葉ではないんですね。例えばITでもって100億儲けたって人がいるでしょ。まさかあれの事を言っているとは思いませんよ、思いませんがね、世の中の人はそう思うんですよ。額に汗している人よりもITで100億もうけた20代の人の方がね、いいような印象をうけちゃうんですよ。これは絶対に許せない。総理の言葉が軽すぎるんですよね。スローガン政治といいましてね。特に格差が本当に今出てます。それは固定する傾向があるんです。クリントンがかつて前のレーガンの時の事を批判していた中で、格差が出ると固定しちゃうんだと。固定すると階級なんだと。階級社会は絶対に悪いんですね。例えば福澤諭吉は独立自尊と言っているでしょ。だけどね天は人の上に人を創らず、人の下に人を創らずと言ってたんですよ。要するに独立自尊の人であればあるほどですね、そういう格差があっちゃいけないと。いう事を福澤さんは言っておられると思うんですよ」

― 在日米軍再編問題の最終合意は?
藤井

「アメリカの世界政策に追従したという事を言わざるえないですね。追随です。そして新たな段階というのは、要するにかつての日米安保があります。あの時周辺事態法ってのを作ったんですね。そういう極東とかそういう地域におけるですね日米の協力だったんだけど、新たな段階は向こうが言う通り、これはアメリカの世界政策に乗っかるという事なんですよ。そんな事をね、法律もない、条約もないまま勝手にやってきてるんですね。しかも額賀さんが中心にやってますからね、軍事政策ですよ。世界の軍事政策に乗っちゃってるんですよ。そんな事を許してね日本人は本当にしらないまま全部やってるんですね。だから絶対私は許せない」

野中

「「アメリカ軍の第一陸軍司令部がやってくると、これは首都圏にやって来るわけですから、これは大きな問題ですし、将来日本の司令部もここに一体的に置かれるというような事が言われております。そうすると、米軍と日本の自衛隊とはですね一体として行動していくという事になる訳ですね。今度の米軍再編と言うのは、防衛庁長官がちょこちょこちょこちょこ会って、沖縄に行ったり岩国に行ったり、なんかね自分でやってそして国内、閣内においてどれだけの議論をしたのか、あるいは政党として与党としてどれだけの議論をしたのか、そういう事全く見えないままに防衛庁長官や外務大臣が、この連休のどさくさに出かけていって、そして突然ですねグァムに行く彼らのね海兵隊の移動に三兆円支払うという、そんなこと積算の基礎も何にも無いのにね。グァムは本来ね海兵隊欲しいと、地域振興策の為に何とか軍事基地が欲しいと言ってきた所なんですよ。欲しい欲しいと言って来た所に日本が何もかも負担してやる。しかも、構図はあたかも日本から防衛庁長官が出かけていって少し値切ってきたような構図を見せてですよ、そして国民をペテンにかけ、議会政治を全く無視しておる。この状態は私は非常に悲しい事だしかつての同僚であるだけに何故こう言う事をやり、米軍の隷属化に入るわけですよ。だから新たな段階と言うのは私は米国と一体になって、米国の世界戦略の中に組み込まれてしまう、結果的にはわが国はハワイ州に次いだ51番目の日本州に成り下がっていく。いう事を心配してるわけで、結果的に事実そうなっていきつつある」

― 福田元官房長官の出馬は?
野中

「ようやく福田さんもその気になってくれたなと。官邸は、小泉さんの総理によって全く従来と変わっちゃったんですから。建物も変わりましたしね。そして、システムが変わっちゃったんですから。官邸というより、総理主導のですね、経済財政諮問会議、規制緩和という。弱肉強食の社会をあえてやっていく人たちばっかりが良くて、志ある官僚が、意見を言えない雰囲気になってきておる。これを、ぶっ壊せるのはね、小泉さんの許で官房長官をやって、そこでは俺やれないと、言って辞めたぐらいの勇気のある人で、官邸の中を知っておる人がやってくれなきゃね。今の官邸の異常さは変わらないし、そういう点で、やっぱり中国、韓国をはじめとする外交はですね、福田さんに託する。そうでなかったら、とても局面打開が出来ない」




 
   
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