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 第九十一回 ('06年2月26日放送)
  「ホリエモンメールの裏側」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 藤井裕久 氏

民主党の前原代表が「メール問題」で小泉総理に迫ったと思ったら、「メール」を持ち出した民主党の永田議員の議員辞職騒動。前代未聞のすったもんだは考えてみれば、国会のケンカの仕方を知っていたかどうかの差にあると思い当たります。そこで、野党・自民党時代に当時の細川内閣を退陣にまで追い込むなど国会のケンカ上手として知られる野中さんと藤井さんをお招きして「メール問題」の裏側を縦横無尽に語って頂きました。



― 永田議員の一連の言動は…
野中

「若い層には、予算委員会に出て、いい材料が入ってくれば一発かまして男をあげようというものがあると思うんですね。だから彼もそれを習ったんじゃないかなと。今から思うと、上手に仕掛けに乗ったんじゃないかなと思うんですね。私は」

岩見

「引っ掛かったという事ですか?」

野中

「何故かと言うと、この間テレビで平沢勝栄君が同じモノ出したでしょ?同じモノを出したって事は出所はひょっとしたら自民党だったかも分からない。官邸だったかも分からない。悪い事を仕掛けようとしたらそうしますよね。

それを検証せずに、墨で塗って、ちょっと分かりにくそうな格好をとりながら、一発男をあげようとした浅はかさ…。やっぱり党の執行部できちっと見て、「それじゃお前やれ」という手順をふまなかった民主党の中に問題もあったと…。

それを、余計な事言いやがって、困ったもんだ、と言って辞職でもしないとしょうがないような迷惑そうな動きを民主党の中でする雰囲気をだしちゃったと…。

私は京都ですから、我等が京都で、やっぱりホープとして、党の代表として出ている前原さんが上手くこれから民主党を健全に野党として引っ張っていって、やがて自民党と対峙し与党にもなるような、そういう人に期待したいですよ。けれども今見ていたってそうじゃなしに、何か下の方で責任のなすりつけ合いをして、党の代表の責任だとか辞職問題だとか野田国対委員長の責任だとかね、今頃になってああいう内輪騒ぎをして、小沢さんが横からにんまり眺めている姿はあんまり野党としては良くないですね。やっぱり一致して戦わなくきゃ駄目ですよ」

― 前原代表は…
藤井

「若い、若い。指導力がない。やはり指導力というのは信頼なんですよ。強権で、仕事は出来ないですよ。信頼なんです。人間としての信頼です。若い人にはそういう人(野中さんのような人)から信頼を受けるようなね、重みと深みをつけてもらいたいなと思っています」

― 今度の事件騒ぎで幻滅感は…
野中

「私は幻滅していません。国家の為には政権政党もしっかりしなければならないけど、これを攻める野党がしっかりしてもらわなければ日本国全体として、議会政治は良くならないし、国が良くならないんですから、そういう点では今の自民党は私は万全だとは言いませんし、ライブドアのホリエモンの事件がバァーっとでたかと思うと、耐震度の偽造の事件がぶつけられて、そしてまあ東横インは出てくるわ、あるいは防衛庁の談合事件が出てくるわ、何か私はね全体的にね国民の目を散らしているそういう感じがですねしてならなかったんですよ」

― 小泉総理ははなかなかのケンカ上手…
野中

「ケンカ上手ですよー!」

藤井

「私から見るとね街の中のケンカですよ。あれは。論理的に全く矛盾してるんですよ。その対極にいるのが大平さんなんですよ。『あーうー』ってされたでしょ?ところがあの人の文章を見ると物凄く論理的なんですよ。こちらの人はね街の中のケンカ的な…」

野中

「中身がない」

藤井

「中身がない」

― 民主党の今後は…
藤井

「やっぱり、政党だけじゃなく組織っていうのはね『老壮青』って言いますね?その『老壮青』が正三角形に出来ている組織が一番強いんですね。ところが『老』がこんな大きくて『青』がこうなるのは全然駄目なんですよ。こんなの伸びる訳ないんですね。しかし、正三角形の組織であるならばですね、『老』にもね、『壮』にもそれなりの配慮をする事が代表としての非常に大事な事なんですよ。そこ辺りはねもう少し考えてもらう必要があると思いますね。バランスですね」

― 民主党にひとこと…
藤井

「権力は腐敗するという言葉がありますね。これはイギリス民主主義の格言ですね。そういう事から考えて、必ず反対政党がいなければね駄目なんですよ。必ず腐敗するんですね。それをもっと自覚して欲しいんです」

野中

「前原さんは京都の方で我々の期待の星だし、自民党には谷垣さんが京都の期待の星ですから、やっぱり健全な野党というものをどういうものなのかと、政党の原点に帰って党内融和をまず行って、野党らしく謝る時は国民に謝って、大胆に出て党内をまとめて欲しい、そう思っております」




 
   
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