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 第七十三回 ('05年10月16日放送)
  「小泉自民圧勝の波紋・・・」

  ゲスト: 渡部恒三 氏 / 加藤紘一 氏

― 自民圧勝が社会現象のような感じになっているが・・・
加藤

「9月11日、何年か前にはニューヨークがあったわけですけど、今年の日本は小泉選挙のハリケーンが来たようなもんで、ドーンと衝撃を受けて脳震盪のまま、まだ一ヶ月余りという感じじゃないでしょうか。ですから、どう考えたら良いのかみんな戸惑いの顔してますね。ハッピーハッピーって喜んでいいのか・・・。こっちは勝った側ですから、個人的にも政党的にも勝った側だからもっと喜んでも良いんだけれども、社会現象なのか、社会現象だとするとこれちょっと深刻だと思います」

渡部

「政局が社会ブーム、そのシンボルが刺客騒動。あの10日間の、小池君に始まって、ホリエモンに至る刺客騒動が皆さん面白くてね、民主党が埋没しちゃったんですよね。やはり、2大政党でこれからの政治なら堂々と自民党と民主党で、互いの考え方を国民に述べてね国民が判断する、それが選挙だと思っとったんですけども・・・。国民の大部分の人が小泉君が次にまたどういう刺客を放つかそれだけになっちゃった。で、気がついてみたら圧倒的に、いわゆる政治を自分達の生活に直接そんなに必要としない人達はみんなもう小泉君に共鳴したんだね」

― 郵政法案が成立を先週しました。2ヶ月前は5票差で可決、今度は200票差ですね・・・
渡部 「国会に出ておりまして、小泉君が話しをするとどんな話でも、チルドレンが割れるような拍手をして、まさにあの太平洋戦争起こる時の大政翼賛会の国会がこんなものかなとしみじみ考え深く考えましたけどね。参議院の場合、もっとも極端なのは国会議員は全然2ヶ月前と今と変わってないわけでしょう。同じ国会議員がね同じ法律に対して、2ヶ月前は否決して、今度は可決っていうのはこれはどう考えたってこれは国会議員が国民から信頼を失ってしまう事になるでしょうね」
加藤 「17票マイナスだったのが今度34プラスですか、これはやっぱりちょっとアレって思いますよね」

― 個人の心情とか信念はないですね・・・
加藤 「あんだけの大きな投票結果になりますと、それは影響すると思うんですけど、でも大きく振れ過ぎたなという感じはあります。選挙の結果も、終わってから一週間後にまた別の世論調査をしたら、自民党を勝たせすぎたから今度は別の方に入れるという方が60%だったりすると落ち着かないんですよね」

― 以前の自民党は包容力がありましたね・・・
渡部 「自民党が60年近く長期政権を維持出来たのは、自民党の中に、具体的に申し上げると、田中・大平派で主導権を握っておったけど、しかしその中に福田派がおり、田中さんと正反対の三木派がおり、ですから田中さんがロッキードで失脚しても三木内閣で維持出来る。それが長期政権の、少数意見が尊重される。戦後の政治を見ると、吉田内閣の時、これに徹底反対した三木武吉さんと河野一郎さんが英雄になってますよね。今は小泉君の改革に反対するものが守旧派と言われる。言葉は違うけどね権力に反対するものが悪い奴だという事なったんじゃぁ国民の民主主義がなくなっちゃう」

― 今の自民党は・・・
加藤 「みんなあんまり意見言いませんね。私は相変わらず靖国神社参拝は控えた方が良いと。それから、イラク派兵は間違ってたし、サマワから出来るだけ早く引いた方がいいと。相変わらず同じ事を言ってんですけど、『良く言うね』なんて言われます。11月初めに組閣がありますから、組閣の前にみんな静かにするというは、世の中そういうもんですよね。ですから、その後みんながしゃべり出すんじゃないかなぁと思ってます。ただ、選挙の結果があんだけショッキングだからみんなしゃべるのを自己抑制しているようなところがありますね。それはその渡部さんが言うような昔の自民党と違う部分だからこれは気を付けなきゃいけないと思います。政治家が発言しなくなったり、それから言葉で勝負しなかったりしたら私は終わりだと思いますけど・・・」



 
   
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