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 第六十九回 ('05年9月18日放送)
  「小泉自民党圧勝の後で何に期待するか、何を心配するか」

  ゲスト: 中曽根康弘 氏 / 渡邉恒雄 氏

自民党内の権力闘争にも、野党との戦いにも小泉総理大臣が圧勝という事になりました。今回の総選挙、そして総選挙後最初の時事放談。今回は様々な時代の舵取りをしてきた中曽根さん、そして政治記者として数々の政局をご覧になってきた渡邉さんに強くお願いしての御出演となりました、一体この選挙で何が変わったのか、そしてこれから何が起ころうとしているのかズバリうかがいました。


― ジャイアンツの次期監督について
岩見

「渡邉さん、来期のジャイアンツの監督は原辰徳さんでよろしいんですか」

渡邉

「いやまだ発表してないですよ。今現に堀内監督の下で選手一生懸命戦っているわけですからね、最終日の切符なんてものはね、10月5日だけども次々に売り切れちゃってるね。だから、最後の日に何が起こるか、その頃には新監督が決まっているんじゃないか。これは滝鼻のオーナーに任せてあるから、それは頭の中ではありますよ、だけど今時期悪いからね」

岩見

「あの次期監督はどういう条件というか、そのイメージをもって見てればよろしいんですかね」

渡邉

「だからやっぱり若手をうんと育てて、勝つ勢いを作ってくれる方が絶対に必要だね、第二に明るい事」

岩見

「年齢的にはどの位の方」

渡邉

「年齢は問わずだな、年齢は問わない」

岩見

「問わず」

渡邉

「中曽根さんがやってくれるなら、監督にお願いする」

岩見

「長嶋さんが元気になられたらね」

渡邉

「元気になったら長嶋監督ってのは非常にいいでしょう、もういっぺん」

岩見

「まぁ、しかし実名では言わなくても何となくH(原)さんだなぁなんて思ってもいいですね」

渡邉

「Hってのはなんですか、Hって良く変態の事をHって言うんだ、そういう人はしらんなぁ」

― 今回の選挙結果について
中曽根 「まぁ、正直なところ、私も選挙をやってね300人の議席を貰いましたがね。あの時はまぁ280ぐらいだろうと思っていたのが、300までいってあの瞬間に嬉しいというよりもね、これだけ大きなものを与えられて果たし自分でやれるかと、責任感で重圧を受けてうれしさよりもそっちの責任感の方が重くなりましたね、おそらく小泉君も同じだとうと思います」
渡邉

「選挙は小泉さんの主演演出劇場型選挙、ワイドショーポリティックスというのか、そういう脇役に「くの一」とか、「成金」とか、話題性の多い人物をぞろぞろと並べてから一人ワンフレーズを絶叫すると、こういう形の選挙というのはやはりポピュリズム選挙。

で、人民投票型、マックス・ヴェーバーが言った非常に恐ろしい最終的には人民投票型独裁というのがある。政治の一つのパターンとして、それに行く可能性を秘めたですね結果で、結果とプロセスであって、手段としてはあんまりいい手段を使ったとは思えない。こういう選挙がしょっちゅうあるようでは議院制民主主義というものは崩壊するしね。

それからこれはもうすでに一院制ですよ。だから、議院制の議会制民主制度というものを潰して一院制の、しかも総理大臣がなんでも出来る独裁国家になった。ヒットラーと東条と同じような基盤は出来た。しかし、これから小泉さんは何をやるか、いままでのワンフレーズね、一行政治というのは許されない、一言政治は許されない、それから具体的な中身が何をやるかという事は問題だと思いますがね」

― 小選挙区制の雪崩現象が起きた?
中曽根 「そうですね、特にねテレビの影響ですよ、昔はテレビの影響まで考えなかった。今はむしろ80%はテレビの影響で国民が動いている。だから、小選挙区制プラステレビというものがこういう現象を生んだと思いますね」
渡邉

「党首対党首の選挙なっちゃったから…、それは小泉さんのあのはちゃめちゃなね、良く言えば明るい、悪く言えば型破りのね、めちゃめちゃさというのが岡田さんの銀行の経理部長みたいな全く生真面目な顔から来る陰気さというものが非常に損を与えたんでしょうね、真面目な人なんです、あの人は…、小泉さんより遙かに人間的には真面目な真剣な政治家だと思うんだけど」

― 靖国参拝は?
渡邉

「靖国に参拝するかしないかという事は歴史認識の問題だと、中国や韓国から言われているけども、その戦後60年間ねその東京国際裁判というものがあって、その判決を是として受け入れたきりですね、日本人自身の手でねあの戦争はどうしてやらなきゃいけなかったのか、どうしたらやらないですんだのか、どこで辞めればよかったのか、それを戦争継続したために何百人も人を殺した、その責任はあるのか、ないのか、これをはっきり検証する事をね、歴史観を持たなきゃいけないと思うんですよ。

小泉さんはそういう歴史観持たないし、そのなんかあの織田信長の桶狭間の戦記がなんか一生懸命読むけれども、この過去100年間の現代史とうものはあんまり勉強してないんじゃないですかね、それを現況すれば、あのA級戦犯という加害者、何百人も殺した人達がいるところに行って公式参拝をするという事はねやはり自重すべきだと、だからもういっぺん歴史検証を自分の手ですべきじゃないですか、我々とも一緒になって…」

岩見

「もうちょっと間に合わないという感じもありますけどね」

渡邉

「間に合わないですね、だから間に合わないけれども、ちょっと小泉さんが一週間ぐらい山に籠もってですね、昭和史の本を読めば、これはやっぱりあそこでA級戦犯と言われている人達のやった事はあまりにも残酷で無計画でおかしな事だったという事は分かるでしょ、分かったら他の方法を考えたら良いんですよ」

― 内政上の最大の課題は?
中曽根

「社会保障、年金、そういう問題と、もう一つは財政再建メドを付けて、まぁその2つじゃないですかね」

― 小泉さんあんまり後継者には冷ややかというか…
中曽根 「関心がなかった。ただ、今度の解散後の組閣でね、後継者と思われる人を入閣され、あるいは党の役員にして、競わせると、それでさっき申し上げたように政策を出させ自分が左うちわで見られると、そういうような劇場効果を考えられているんではないかと」

― 後継総理のイメージは?
渡邉 「僕はやはり頭が良くてね、政策が良く分かって、色々質問に答えられる人、小泉さんに質問してもほとんど何も答えられないと思いますよ、僕が質問したら…。僕が質問して答えられるような人がいればね、これ(総理候補)に加えて欲しいと思います」

― 新人議員に対して一言…
中曽根 「みんなあの各々の仕事には有能な人でしょうけどね。こういう政治の世界に入ったら日本の運命を背負うという全く新しい場面に入るわけですから、そういう運命を背負う政治家としての根性を見習って下さいと。単にその派手な場面だけが目につくんじゃない、目に見えない所でみんな苦労もし、また選挙民の皆さんと話して成長してきている、政治家としての根性ですね」
渡邉 「やっぱり政策の勉強が第一、それから政治というものはどう動かすか、というテクニック、それから中曽根さんの様に一年生議員の時から、俺は総理大臣になるんだという雄大な計画を抱えて精進してましたよね、非常に勉強して、それから人脈を作り、人脈を作って政策を全うする、この事ですよ」



 
   
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