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 第六十回 ('05年7月10日放送)
  「ポスト小泉の条件を考える〜今後の総理の求められる姿」

  ゲスト: 野中広務 氏 / 田中秀征 氏

郵政民営化法案は衆院本会議ではわずか5票差で可決。これによって永田町は一気に政局モードに入りました。今週からはいよいよ参議院での審議です。しかし、国会議員の皆さんは早くもその後を睨んで走り出しているのです。参院で否決となれば解散総選挙なのか内閣総辞職なのか、となるとポスト小泉は誰なのか。政界再編の裏を知り尽くすお二人にうかがった。


― 衆院で郵政法案はわずか5票差で可決したが?
田中 「やっぱり利害関係とか大義名分というもの置きますよね、それぞれ違うと思うんですが、それでいいんですけども、それに感情がプラスされると政治の動きって一気に動きます。今回、そういう感じいなったんですね土壇場で・・・。これは小泉さんの対応でそうなったんだというふうに・・・」
野中 「実際にあの法案で実施された場合の姿っちゅうのがまだ見えてこないんですよ。なんか竹中流の国会委員会運営で、本当の確信にふれて形が見えない。これが一番ね両側に不満を私は鬱積したと思いますね」

― 参議院採決の見通しは?
田中 「おそらくもう一度衆議院でも3分の2を取れる状況じゃないですが、もう一度持ち帰った状況でやろうとすると思いますね、衆議院の場で解散という形に持っていきたいと」
岩見 「つまりいったん否決になって、そうなるという事ですね」
田中 「それが実現するかどうか分かんないですよ、一度持ち帰った衆議院でやってその時ダメだったらっていう形になると思うんですけど。小泉さんという人は解散という決断にもそれほど緊張する人ではないですよね、ただ、与党で参加している公明党の出方っていうのは非常に小泉さんを動かすと思いますね、一番はそれじゃないかと・・・。党内事情は、どうですか?」
野中 「おっしゃるように公明党の出方というのはこれから重要だと思います。衆議院の選挙の時に公明党は以上でしたよ。神崎さんが賛成しないものは次の選挙で推薦しないとかね。公明党とうのは自民党に対してブレーキを掛けてくれるべき政党として連立を組んだんです。それがこの頃はアクセルを踏んでる。僕はこのサマワに行っている自衛隊の問題とかテロ特措法とか色んな問題を見て平和と人権と福祉を党で通した公明党が変わりつつあるというところに非常に今危険を感じて警鐘を鳴らしておきたいと思います」

― 野中さんは仮に否決になった場合に解散はないだろうとご覧になってますね?
野中 「総辞職」
岩見 「田中さんはどうですか、否決になった場合、解散の可能性は?」
田中 「私はその時の状況にもよりますけどもやっぱり解散するという決意は固い人だというふうに思いますね」

― 大宏池会構想をどうみる?
田中 「私もあの宮澤宏池会に身を置いた身なんですけど、まぁみんなで離れてやってみてダメだったからまとまろうという事が通用するのかどうか・・・。そこに政治的な勢いがつかない、だから一つの勢いのあるところが他を吸収するとか、そういう形なら良いんですが、その合議の上でまとまってやろうという数が整ったところ、あの大きいけれど勢いがないそういう集団になりますね。それからまた旗印が鮮明さを欠くという事になりますから、あのどういう形でやるのか、どなたかあのこの人を総理にしたいという鮮明な政策の姿勢を打ち出して、そこにそれじゃまぁっていって集まったら勢い出るでしょうね」
野中 「宏池会と我々田中・橋本・小渕、平成研は保守本流として比較的ハト派の集まりでやってきたわけですね。で、強力な支配を持った関係、特にまぁ田中さん大平さんの時代等は多くの問題を克服して日中国交正常化を初めやってきました。だから、そういう点で保守本流が大合同をしようという事ならあると思いますけど、今、こういう事になったから元の宏池会一緒になろうじゃないかという事はちょっと傷が深すぎてね難しいんじゃないかなぁと、ちょっと大義が失われてるんじゃないかと、まぁそれよりは大合同ぐらいをやっぱり考えるべき時にきてるんじゃないかなぁと」

― ポスト小泉、福田康夫さんは?
野中 「小泉さんに辞表を出して辞めてね、そして一衆議院議員として質問に立ち、そして中国にも足を運び、あの異常な官邸を整理してそして静かな、やはり役人も政策に協力出来るそういうね自民党を取り戻すキーマンはやっぱり福田さん意外にないと」

― ポスト小泉、安倍さんは?
野中 「安倍さん人気ありますよ。若いですけど、あれだけね中国を含めて右よりの事をボンボンボンボン言ったら僕は悲しくなるんだね」


今回の一言
田中:「増税する前に納得のいく官のリストラをやってもらいたい」