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 第五十八回 ('05年7月3日放送)
  「どうする夏の陣〜サラリーマン増税・ポスト小泉の裏側」

  ゲスト: 渡部恒三 氏 / 加藤紘一 氏

梅雨時にふって湧いたようなサラリーマン増税の話、論点整理と言いますがいったいその裏にどんなからくりがあるのでしょうか、そして小泉総理大臣の任期もあと1年、次なる総理となる人は一体この夏の陣をどう過ごすのでしょうか、旧田中派、旧竹下派、七奉行の一人として数々の政局を経験なさった渡部さんとそして加藤さんにズバリ語っていただきました。


― 政府税調がサラリーマン増税案を発表したが?
加藤 「私もすぐその報告書を取り寄せて読んでみまして、それから担当者にも詳しく聞いてみたんですけど、どうも正直いて報道が違うんじゃないんでしょうか、それで何年にやるという事も書いてなくて・・・」
渡部 「働く人達、しかも年収400万から1000万ぐらいの一番中堅のこの国の為の役に立っている人達に、重い税金を掛けるなんて事、これ許されるはずないんですが、おそらく今度自民党の税調の方でこの半分ぐらいは減らす・・・。そのごまかしですよ」

― 小渕内閣で減税がありましたね?
加藤 「あれは我々、私と山崎さんは大反対でしたね。所得減税するとポケットにお金が貯まる。それでみんなが物を買う景気が良くなる。そんな単純なもんじゃないでしょと・・・。将来に不安があるからみんな物を買わないんですからね。でも、小渕さんが6兆円の減税をしちゃった。54兆円ぐらいしか税収がないところで6兆円やっちゃいましたから・・・。

今でも覚えてるけど、それをやられて半年後のクリスマスの12月の24日イブの日ですよ、総理からYKK三人と夕食を食べたいと・・・。あまりにも無粋なと思ったけど行きましたよ。そしたら、なんであんな減税なさったんですと言ったら『突然総理候補になって分かんなくて大原一三君が持ってきた紙をそのまま読んじゃったんだよ。それが公約になっちゃった。失敗したと思っている。この後処理は君らの世代でやって欲しい』と」

― 財政赤字は?
渡部 「700兆の借金を作ったのは、その借金で自民党政権が今までもっとったという事ですよ。簡単に言えば、無責任政治。使うほうで、入る方はやらない、で俺に投票しろ、まぁそれは限界が来たんだな」
加藤 「限界が来ましたね、おっしゃること、まぁ当たっているところ、多いと思います」

― 郵政民営化法案は?
渡部 「毎日毎日のテレビ新聞の報道が小泉君は断固やる。そして綿貫君を中心にした反対派の人は頑張るって、その記事ばっかりでね、なんか政治は自民党の中でやってる見たいでね。なんか民主党の存在なくなっちゃっているんですよ。だから政治問題としてこれを国会にやった小泉君は天才的な、その政治についてはね、自分の政権維持については、だけど国民の為には何にもならない」

― 郵政法案に反対した議員を応援しないという神崎(公明党委員長)発言は?
渡部 「情けないけど、やっぱ選挙当選しなきゃしかたない」
岩見 「背に腹はかえられないという事なんでしょうか」
渡部 「そうですね」
岩見 「そうすると神崎発言が仮になければ・・・」
渡部 「廃案になったな」
岩見 「廃案になってた・・・」
加藤 「そのかわりちょっと違いますけどね」
岩見 「内閣改造をやるという話もありますね」
加藤 「自民党の中では内閣の改造に向けて、やっぱりあんまり小泉さんに反旗を翻してもねという感じは結構あります」
岩見 「これも一つのブレーキになっている」
加藤 「ブレーキになります、そういうもんです」

― 大宏池会構想は?
渡部 「加藤の乱の時にあと3日ぐらい頑張ってればもう政治が変わってたんだ、ちょとやっぱりおとなしすぎんだな」
加藤 「まぁそこで良く考えるんですけども、小選挙区制度というのは日本の政治がダイナミックに変わる要因を殺してしまいましたね、同じ選挙区で一人しか取れませんのでね、良い物同士が集まってみたら小選挙区では闘ってるわけでからということでなかなか党の壁を超えられないんですね」
渡部 「これは同感です、僕はやっぱあの小選挙区制とあの政治改革というのは美しい名前だったけれども、あの美名の中で行われた小選挙区制度が国会議員をサラリーマンにしちゃって政治家が競い合って立派な政治家が出てこなくなりました」

― ポスト小泉は?
渡部 「今バンっといった人いないけどね・・・。今日、ここではっきり申し上げるのは、誰になるか分からないけどね・・・。古賀誠君と二階俊博君が押す人になります。これ記憶していただいて間違いない。誰を押すかは分からないけど・・・」


今回の一言加藤:「日本自身の地域コミュニティとそして自然観をもっと大事にする国にしたい」