◆ 第五十六回 ('05年6月12日放送)
「日本の情報機関」
ゲスト: 後藤田正晴 氏 / 野中広務 氏
北朝鮮はつい先日も核兵器を保有し、また現在も開発中であることを明言しましたが、果たして核実験はあるのか、私達の命に関わる事がどうもはっきりとしないまま時間が経っていきます、そもそも外務省や政府の関係機関にどれだけの情報があるのでしょうか、そこで警察庁時代から情報のプロとしてその表も裏も知り尽くしていらっしゃる後藤田さんとそして野中さんに日本の情報機関についてお話をうかがいました。
― テポドン発射の時は
野中 |
「小渕内閣が発足して、一ヶ月経った時にテポドンが撃たれたんですね。まぁ、本当にビックリしました。ところが今から思うとね日本の防衛庁とかいうあたりは2・3日前からある程度の情報をキャッチしてたって言うんです。それを結局我々官邸には上げて来ない」 |
― 外務省の情報収集力は
後藤田 |
「全然だめだな」 |
岩見 |
「全然だめですか」 |
後藤田 |
「それはあなた、例の大韓航空機事件の時のあれを見ても分かるでしょう、全く入ってない」 |
― 情報機関の現状は
野中 |
「我々、官房長官をやってましてもね内調から報告上がってきますね、すると我々の方が詳しい事が沢山ありましたよ、なんかこれはね週刊誌の切り集めのね情報じゃないかなって思うほどね、そんな事が沢山ありました」 |
― なぜ、遅れているのか
後藤田 |
「日本の情報組織、あるいは情報的な活動が非常に立ち後れているという原因は、全てアメリカ依存だという結果じゃないですか、その結果こういうふうになっているということですね」 |
― 海外の情報機関は
後藤田 |
「印象に残るのはやはりイギリスのMI5、MI6。これが一番非常に印象に残った情報機関だったと、フランスも大変印象に残るが対照的なんですね。イギリスの情報機関というのは非常に深いんですよね。それから執拗なんですよ、しつこい」 |
― 日本の情報機関のあるべき姿は
後藤田 |
「中央にきっちりした各所に集めた情報を全部とって、そしてそこで総合的な判断が出来るような仕組みを作るということじゃないですかね。国全体としての総合的な情勢判断が出来るような、組織を作んなさいと」 |
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