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 第五十三回 ('05年5月22日放送)
  「北朝鮮の核実験は…、核は…」

  ゲスト: 宮澤喜一 氏 / 塩川正十郎 氏

ニューヨークでは、アメリカと北朝鮮の高官が接触するなど、北の核をめぐる駆け引きが動き出しました。しかし、その一方で北朝鮮の核実験に対する不安はぬぐいされません。一体北朝鮮の真意はどこにあるのでしょうか。また、アメリカや中国の思惑は一体どのようなものなのでしょうか。そして、そんな世界の中の日本として、今すべき事は何なのか。外交通の宮澤さんと塩川さんに語って頂いた。


― 米朝接触はアメリカの譲歩か?
宮澤 「譲歩というよりねえ、本当を言えばアメリカの無茶なんですよ。それは、1990年代に民主党政権の時代に長い交渉をやって、待たされちゃったということはあるものの、共和党のブッシュ以下、北朝鮮というものは全く信用していない。潰れちゃうだろうと、放っておけば。あんなものと本気になって交渉する事はない、というような事が、ブッシュにしてもチェィニー副大統領にしてもラムスフェルドにしても、本心はそうですから。だから、金正日は信用がならないとか、悪の枢軸だとか。外交官が交渉しようとしても、上層部はそういうことを、ほとんど本気になって扱おうとしない、という状況が長く続いているから。そりゃあ、北朝鮮も悪には違いないし、騙すには騙したんだろうが。いかにもアメリカが本当の交渉に本気になってのっていかないという事が長く続いて。そしてこういうような混迷になりましたから。中国にどうかしてくれといっても、中国もアメリカももう少し考え直したらどうですと。韓国ですらそう言いかねないような所で。ようやくアメリカがまあ、そんなら交渉にのりましょうかと。いうことを、ようやく言ってみたと。いうところじゃないです」

― 六カ国協議再開の見通しは?
宮澤 「北朝鮮側の読み筋で言えばですね。これでまあ主権国家であると言うことは認めてもらって、六カ国協議の中で米朝の二カ国間の接触も行われて。その中で北朝鮮側の筋書きによればアメリカが北朝鮮について侵略をしないとか、そういうところまでいけるかどうかと。それから北朝鮮が(核開発)をすっかりやめるなら、各国はエネルギーなり燃料の供給も北朝鮮にしますと。アメリカがするとは言ってませんけれど。そういうところまで進めるはずの筋道が、今度で開けるか、というところなんですよ」

― 中国との関係は?
塩川 「そうですね、中国と北のすれ違いは確かにありますね、アメリカとは違いますね。韓国も最近変わってきました。それで複雑になってきましたね。そこで何としても、一つのやり方として北朝鮮の中の体制を核じゃなくて発展を、積極的発展の方向を考えさせるというのが一つの手だと思います。もう一つは国際的に核というのは、国際的圧力で北朝鮮を諦めさすような事をすると、アメリカを初めとして6カ国で援助するとい事のギブ&テイクをもう少し明確な形で渡してですね、国際世論に訴えていくという事も良いんじゃないかと思いますね」

― 宮澤さんは日本に原爆が投下されたときは?
宮澤 「私は東京にいたんです。そういえばね、広島は8月6日ですから、私は熱海から今の大蔵省に通っていて、つまり新橋まで電車で来て、新橋から虎ノ門に向かって歩いている時に空からビラがふってきて、トルーマン大統領のメッセージと書いてあった。新しい兵器を広島に何とかって書いてありました。とっとけば良かったな…、日本語で、それで8月の7日かなんかでしょうね、朝だったと思うんですよ、空から撒いてきた、それでまぁ何かあったんだなと…」

― 核をめぐる小泉総理の外交は?
宮澤 「やはり日本はアメリカとはこういう関係にあるけども、しかし不拡散条約というのはやはり核保有国の責任も重いんでね、それについて言うべき事についてはキチッと言うべきだと思いますね」


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