時事放談 トップページ 毎週日曜あさ6:00〜6:45
過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 
 第四十二回 ('05年2月27日放送)
  「アメリカから見た日本 ライブドアVSフジ」

  ゲスト: 宮澤喜一 氏 / ジェラルド・カーティス 氏

ライブドアとフジテレビの争いから見えてくる日本の姿を一体どのように読み解けばいいのか。グローバルな視点で語ってもらった。

▼ ジェラルド・カーティス氏
米コロンビア大教授。1940年、米ニューヨーク市生まれ。
政策研究大学院大客員教授も務める。
著書に「代議士の誕生」「日本の政治をどう見るか」など。


― ライブドアがニッポン放送株を大量取得したが
宮澤 「まあ、たいていのことには驚かない、つもりでいるのでね、まあおもしろがってみてます。どうするんだろうなあ、と思ってね」
岩見 「どちらびいきですか?」
宮澤 「うーん、どっちかって言えばねえ、年寄りにむかって挑戦するんだから、さあどうするのかなあと思って、そのことに興味がありますね」
岩見 「あの今のやり方については・・・?」
宮澤 「いやあそれは・・・昔で言えば、太陽の季節だって乱暴な小説だよね」
岩見 「そうですね」
宮澤 「ですから、それは言ってらんないだろうと思うんですね」
岩見 「まあ何でもありの世界ですからね」
宮澤 「ええ。でまあ、法律に違反してもらっては困るから、裁判所がどうやるのかなとは思ってますけど」

― 堀江社長は
カーティス 「うん、まあもちろん、すごいやり手で、それで要するに日本の暗黙のルールを守らない。で、やりたいことをやるぞという、ある意味でまあ日本のジェネレーションの変換を、非常に象徴する人だと思うんですね」
岩見

「一度(会ったことが)あるんですよ。あるシンポジウムがありまして、「改革」というテーマだったんですけど、堀江さんと今度の一つのキーマンである村上ファンドの村上さんとふたりで来ましてね、私は堀江さんにあなたにとって改革とは何かと聞いた。はっきりしてますよ、私の会社がもうかるようにしてくれるのが改革ですと、言われてね、私もちょっとね、ぎょっとしたんですね。

政治についてもいろいろい聞いたんですね。彼はその、政党を作るというのもどこかでしゃべってますから、本気ですかと、いや、代議士は一人1億円、1億円あればいいでしょう。それならまあ10人ぐらい代議士ね、当選させておくのは何てことありませんから、これでまあキャスティングボートを握るなんてことはちょっと考えてます、というような話でしたね。あそうですか、と。

ところで選挙は。いや、選挙なんかいったことありません。もう自民党とか民主党、全く関心ありませんね。そういうことありませんと。まあ、何て言うんでしょうね。新人類というか、ちょっと次元の違う人種だ・・・」

カーティス 「ああいうような形で何でもお金でできるんだと言う人はね、アメリカの社会でもね、そのうち絶対失敗しますよ。ですから、堀江さんは知りませんけど、もしも、そういうような気持ちで彼がやっているんだったらね、最終的にはフジテレビ勝ちますよね。で、彼は負けると思うんです。もしもそういうような発想でお金ということしか考えないでやってるんだったらね・・・」

― メディアの公共性は
宮澤 「うーん、メディアってそんなに公共なんですかね」
岩見 「あ、そう、じゃないでしょうか」
宮澤 「いやいやまあ、そう、一応そうなんでしょうかねえ」
岩見 「ちょっと抵抗があるわけですな」
宮澤 「テレビとかそんなに、その、公共なんですかね」
岩見 「電波は公共ということに」
宮澤 「一応なってるな」
岩見 「・・・しかし、テレビの実態は、それほど公共性っていうことで、特殊扱いするほどのものではないと、おっしゃりたいわけですか」
宮澤 「いやいや。そう、言おうともしないけどもね。さてさてどうかなと」

― 堀江社長に一言
宮澤 「うーん、だからまあ、何とかがんばって一生懸命やんなさいなと。 いやあ、私もそう言うのはなかなか気持ちに抵抗あるけれど、基本的にはやっぱ り、最終的にはそういう風に、言ってやりたいな」
カーティス 「そういうメッセージも伝えたい気持ちも半分ですね。後の半分は、人生はお金のためにあるんじゃなくて、お金さえあれば人生はどうでもなるんだということを、そういう幻想を持たないでまじめにやって、それで自分が成功するだけじゃなくて、ある意味で社会全体にとってもいいことやるんだというそういう気持ちになってほしいね」


一言