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 第十五回 ('04年7月25日放送)
  「今、何がおきているのか・これから何が起きるのか」

  ゲスト: 後藤田正晴 氏 / 野中広務 氏

9月に小泉内閣の改造が行われる。自民党内からは小泉改革の推進に「挙党態勢」が必要だとの声があがる。しかし、小泉総理は郵政民有化への協力具合が「踏み絵」だとしてあくまで「小泉流」を貫く構えだ。しからば、当然改造の後は「政局」が訪れるだろう。そして「始まったときには既に終わっている」のが政局の常。その仕込みは水面下で始まっている。


― 参院選の結果について
後藤田 「『そこのけそこのけお馬が通る』という言葉がありますでしょう?そういうやり方はね、ちょっとお考え願いたいと、そういう意味でお灸をすえられた選挙だったと思いますね」
野中 「逆風の中よく戦ったというでしょう?逆風は誰が作ったんだい、という言い方をしたくなるんですよね」

― 内閣改造について
野中 「まあ韓国大統領との会見の後の、記者会見でね、次の内閣は郵政改革を踏み絵にしてね、内閣を、と言われるような総理は初めてでしてね、少なくとも大臣として呼び込みをして、それまでにこの人を、この閣僚に据えるというのはね、ずいぶんクリーニングするんですね。で、経験から何から、そのクリーニングをした後、呼び込んで、そして総理がメモを持ってですね、「あなたにはこれを重点的にやってもらいたい」と言うて総理執務室でわざわざ言うわけですよ。それがね、今度はどれもこれもみな、俺の内閣に入るやつは、郵政改革を本命にするんだってのはね、ちょっと反省の弁がないにしても甚だしいんじゃないかなと」

― 郵政改革について
後藤田 「郵政改革ってのは大事な改革ではありますよ。あるけれどもね、現在の日本が当面している、本当の意味での改革しなきゃならんのは何ぞやと言えば、一つはやっぱりこの雇用の問題ですよね。これ今のままでどうなりますか?フリーターなんて400万も作ってね、これ雇用の問題。それからもう一つはね、財政の再建の問題ですよ。国と地方あわせて1000兆円のですね、借金が残ってるでしょう。一体どうなさるんですかと。このままでいくとね、国がデフォルトするんですよ、これは。こういう財政の根本改革。そして同時にですね、今の世の中の税制でいいんですかと。こんな税制でいいはずがない。

近代国家っていうのはですね、もう自由自在に活動をどこへ行ってもやるわけですから、やはり、相当似た制度にしなきゃいけないんです。ところが日本のはね、残念ながらね、直接税にね、あまりにもね、偏してるんですね。今でも7割対3割でしょう。直間比率がね、だから税制っていうものを根本から改革をすると。それと平成の改革をしながらですね、今度は社会保障に一体どういうことの財源をあてるんだといったようなね、本当の意味でのね、

今言ったその、雇用の問題とか財政改革とか税制改革、これこそが今日本がやらなきゃならんね、これこそが国政の基本的な改革の問題であります。これに取り組んでもらいたいというのが僕の気持ちなんですね。郵政改革は結構だけども、これはね、枝葉の一つの、花の問題なんです。根っこの問題じゃありません」

― 拉致問題について
後藤田 「国家っていうのはね、国民の命と財産を守る、そして国民の生活を保証するということが、基本ですよね?あの問題は何かしらね、両国間の道具みたいな扱いになってるような、これは僕の誤解かも知れませんよ、しかし国家ってのは本当に非情だなあ、もう少し国民の命と財産、幸せというものを考えてもらわなきゃ本当の意味での国じゃないよと。僕はそんな気がしますね」


一言