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過去の放送 出演者 時事放談「サロン」 テレビプロデューサーの日々
 
 

枝野幸男氏「語るに落ちた」(2018年6月3日放送)

枝野:「語るに落ちたっていうのは、こういう時に使うんだと思います。そもそも、県の公表された文書がおおむね正しいものだと認めざるを得なかったわけですね。そこで、「いや、つい、その場の成り行きで本当じゃないことを言ってしまった」と言い訳してるんですが、その「いいね」という発言があったとされる文書を見ると、加計理事長と総理が面談をしたことを受けて、その報告のために会合がセットされてるというふうに書いてあるんです、そこに、その文書には。だから、全然、議論が、話の流れの中で、事務局長が実態とは違うことをつい言ってしまった話だなんていうのは、もう文書と完全に矛盾をしているという状況ですから、もう言い訳にもならない言い訳を始めていると。(略)これ、もう詰みです」

そして、福山氏はフリップに、「森友問題」「加計問題」のこれまで明らかになった文書の内容を、時系列に並べて見せ、「これみんな残っている文書です。総理の言ってる反論は、全部、言ってません、やってません、関わっていません。全く反証になっていません。どうやってこれ、真相解明になるんですか。残ってる文書は、全部、総理に関わること言っているんですよ。なんで、総理が関係ないとか。そして、挙句の果てには、そして挙句の果てには、去年の1月20日、初めて知った。じゃ、総理関係者の官邸は、みんな総理にこのことを報告もしないで勝手に動いたんですか」と絞り出すように語った。これに、安倍総理は「えーと、まあ。これは、えー。今、委員がですね、委員が作られたストーリーなんだろうと…」などと話し始めたものだから、委員会室は「おかしいだろーっ」「事実関係が、なにがストーリーだよっ」「ふざけんなよ。公文書なんだよっ」瞬間的に騒然となった。野党の理事らは委員長席に駆け寄り、そこで立憲民主党の蓮舫氏は「なにが、ストーリーですかっ。だったらなにもできないっ」と叫んだ。大混乱だった。


枝野幸男氏「ほとんど信じてる人いない」(2018年6月3日放送)

枝野:「この経緯見たら、どう考えたって、ほとんど信じてる人いないんじゃないでしょうか。でも、そう言い続けなきゃならないのは公務員の倫理規定、つまり関係業者といろいろとやっちゃいけないっていうの、ゴルフから、会食からもいろんなもの積み重ねていると。これ、場合によったら、こちらは贈収賄に当たりかねないような話だと、だから俺は知らなかったんだと言い張るしかないということだと思いますね」

そして、共産党の小池晃議員の登場で、今度は委員会室は凍りつくように静かになったのだ。「森本問題」に関する、新たな文書を入手したというのだ。それは、財務省の太田充理財局長らが、払い下げ価格を決めたという国土交通省の航空局長らと、会計検査院の調査への対応を話し合ったというのだ。この中で、航空局が「今後、決裁文書等について、どこまで提出していくべきか」と聞いたのに対し、太田理財局長は「これまでもある程度出してきており、個人的に、出せるものはできるだけ出して、出した方がいいと思う。出てしまうと案外追求されなくなるという面もある」と語ったというのだ。そして、太田氏は、こう続けたという。「政権との関係で、デメリットを考えながら対応する必要がある」。時代後れの、「越後屋と悪代官」のやりとりのような、生生しさだった。これに、名指しされた太田氏は「委員が読んでいらっしゃる。それが、どういう紙か私にはわかりません。その上で、その上で、その上で…」と、激しく狼狽しだしたのだ。


片山善博氏「言語道断」(2018年6月3日放送)

片山:「民主主義政治、民主政治の基本としてはちゃんとした情報公開、そのための公文書管理、それらに基づいてチェックをすると、国会の行政監事があるし、会計検査院のチェックがある。こういうのをへることによって健全性が保たれるというシステムになっているわけです。ところが、それを『骨抜き』っていいますか、機能しないようにしようとしたんではないかという疑念を持ちますね。太田さんの行為がそういうことだったとしたら、もう言語道断だと思いますね」

夏模様の、熱い日々の中、どたばたと、番組作りの日々が続いた。会社で作業していたら、脇にあるテレビで、TBSの昼ニュースが始まった。女性アナウンサーは、世論調査(6月2日、3日実施)の結果として「安倍総理や加計学園の説明に納得できるか聞いたところ、76%が『納得できない』と答え、『納得できる』は13%に止どまりました」「一方、佐川前国税庁長官について『改めて証人喚問すべきだと思う』人は51%でした」と、滑舌よく話していた。国会は1月に始まり最終盤で、あの日の朝から夕方まで大騒ぎした衆参両院での質疑をへて、そのあと党首討論も行われたのだが、「疑惑」が収まらないのだ。スタジオで枝野氏が「もう詰みです」と言っていたのを思い出した。積んでも「対局」は終わらない異常事態なのだ。窓の外を眺めると、高層ビルの間に昼の日差しを照り返している国会議事堂の三角屋根が見えた。


※本原稿は調査情報7〜8月号に掲載されています。

石塚 博久 (いしづか ひろひさ)
'62 東京都足立区生まれ。早稲田大学卒業後、'86日本経済新聞社に入社。大阪、名古屋、仙台支局(このとき、「みちのく温泉なんとか殺人事件」に出るような温泉はほとんど行った“温泉研究家”でもある)に。
東京本社政治部で政治取材の厳しい(「虎の穴」のような)指導を受け、新聞協会賞(「閣僚企画」共著)も。
'96TBS入社後は、報道局政治部記者、「NEWS23」のディレクターを経て、「時事放談」制作プロデューサー。

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