2019年4月スタート

インタビュー

紐倉 哲役 山下智久さん

Q.原作を読んだ感想をお聞かせください

事件解決という鉄板のストーリーの中に、サイエンス要素も織り交ぜられていて、これまであった事件解決の物語とは角度の違う方法で解決をしていく展開が新しいと感じました。寄生虫や微生物などミクロに精通した科学者が、ミクロを通してのマクロを解き明かしていくという方法が今まであったものと違うのでワクワクします。

Q.演じる主人公・紐倉はどんな人物ですか?

紐倉は天才科学者で、ひょうひょうとしていて人間味があるようでないような、ミステリアスな人物です。一見何を考えているのか分からない変わり者ですが、どこか影を感じさせる部分があって。でも実は人の心をしっかり分かっているところが、紐倉の一番の魅力だと思います。普段はあえて人の熱に触れることを避けているように見えるけど、本当に救ってあげないといけない人が目の前に現れた時には、自分が人生の中で培ってきた経験を相手にしっかり共有して救ってあげられる。それは彼がこれまでの人生でさまざまな葛藤、苦しみをしっかり味わってきたからこそ、出せる光と影だと思います。ドラマでも、紐倉の陰と陽はしっかり見せていきたいです。ただ、変わり者を演じるのはめちゃくちゃ難しい。やり過ぎると引かれてしまうし、バランスが大事だなと思います。
僕自身も割と紐倉と同じタイプなので、彼の生き方には共感できる部分がすごくあります。今まで演じてきた役の中では比較的自分を出しやすいキャラクターな気もするので、紐倉と僕でいい化学反応を起こせるんじゃないかと思っています。紐倉との出会いを大切にして、丁寧に作っていきたいです。

Q.演じる上で意識することはありますか?

紐倉の陰と陽の二面性がすごく面白い部分だと思うので、そこは緩急をつけてしっかり表現していきたいです。彼はものすごく切なく苦しい過去を抱えているのですが、そこが陰であり裏の部分。その裏があるからこそ、ひょうひょうとしたつかみどころのない不思議なキャラクターになっていると思うんですよね。大人になるにつれて、社会に合わせるために本当の自分を隠していくことって多いじゃないですか。紐倉はその究極という感じがしています。そんな紐倉をどのような表現していくかは、僕の中でこれからもっと解明していかないといけない部分でもありますが、紐倉が持っている本当の人間的な部分に関しては、序盤は隠しながら演じていくと思います。感情レベルがMAX5だとしたら、2くらいかな。そのバランスも数学的に考えながら演じたいなって。きっと紐倉は科学者なので、いろいろな物事をそんな風に数学的に考えているんじゃないかなと。

Q.紐倉に共感できるとありましたが、山下さんご自身で思う「陰」の部分とは?

僕自身、「陰」の部分を常に意識しているわけではなくて。常に明るい方を目指しているのですが、それは要するに自分が「陰」であるから「陽」の方を求めているのかなと。誰しもが「陰」の部分を持っていると思うのですが、僕自身も自分を客観視してみると、「陰」のある人間なのかなと思っています。

Q.専門用語が多そうですね。

専門用語は、しょうがないですね(笑)。難しいと言っている暇がないので、やるしかないです(笑)

Q.演じられる紐倉は変人と言われていますが、山下さんご自身で変人だと思う部分は?

僕が変人なところ……。そうですね、僕は自分のことを変だと思っていないですね。他人から見たら、「変」な部分があるのかもしれませんが、あくまでも自分の中では普通な人間だと思っています。

Q.色々な動物や寄生虫が登場しますが、触れることに抵抗はありますか?

動物や目に見えない寄生虫は大丈夫なんですけど、昆虫はどちらかというと苦手ですね。学ばせていただこうという観点で接していこうと思っています(笑)。

Q.濱田さん、菜々緒さんとの共演に関して。

僕の客観的なイメージなんですけど、2人ともすごく役にはまっていると思います。どんな風に演じていくのか、どんな風に絡めるのか、3人が集まった芝居どうなるか未知なのでとても楽しみです。いい現場になるだろうというワクワク感が大きいです。ふり幅のある役をたくさん演じてこられているお2人なので、紐倉、高家、牧野というバラバラの3人の関係性をいいバランスで見せていけるんじゃないかと思っています。特に岳くんとは10年以上ぶりの共演なので、すごく楽しみです。僕は自由にがちゃがちゃやっちゃうタイプだけど、岳くんはものすごく周りが見える人。そんな岳くんがしっかりまとめてくれるだろう、と絶大な安心感があります(笑)。前回の共演からお互いに成長しているところもたくさんあると思いますし、そういう部分も共有しつつ楽しい現場を作れたらうれしいです。

Q.義手という設定ですが、こんな風に演じようというプランはありますか?

義手をメインにしている話ではなく、あくまでも“人間ドラマ”がメインなので、義手に関しては「紐倉の過去を紐解いていく上でのアクセント」だと考えています。紐倉は義手で普通に生活しているので、僕個人としては義手という設定に執着はないですね。

Q.最後に、見どころをお聞かせください

自然を科学でしっかりと証明しながらも、事件だけではなく人の心も紐解いていく作品です。人の心をしっかり見つめているので、性別や世代を超えてどんな方の心にも伝わるものがあると思います。その中で一緒に事件を解決していく助手たちとのチーム力、描かれる人間愛、小が大を負かす「弱きを守る」という3つのバランスを大切に描いていきたいです。ぜひ楽しみにしていてください。

このページの先頭へ