原爆投下から来年で70年。被爆地ヒロシマでは、核なき世界の実現を願う声が一層の高まりを見せる。

一方、安倍内閣は憲法解釈を変更し、集団的自衛権の行使を認めることを決めた。在日米軍の再編も進み、日本の安全保障は大きな転換点を迎えている。

こうした動きにヒロシマは無縁ではない。厳密に言えば「ヒロシマのまわり」が、である。広島市から車で約１時間、西には増強の進む在日米軍岩国基地が、東には極東一の規模をもつ在日米軍川上弾薬庫が存在する。記者はこれらの軍事施設や、関係する動きを取材する。

岩国基地の戦闘機による低空飛行訓練に悩む広島県北の住民、そして川上弾薬庫では施設内から突如上がる火柱を目撃する。さらに島の米軍施設を取材中、敷地外からの撮影を警備員から禁じられる−。記者の頭に浮かんだのは特定秘密保護法だった…。

被爆70年を前にしたヒロシマのまわりで起きる現実をルポする。