![]() ![]() 「大島がなくなるっていうんだよ」。 ![]() 伊豆大島に住む藤井善弥さん(90)は68年前、柳瀬善之助元村村長(現・大島町元町)から聞かされた言葉をいまも覚えている。 GHQは終戦翌年、沖縄などとともに、伊豆諸島を日本から行政上分離させた。食料の自給自足もままならない島が独立する・・・。住民にとって大きな衝撃であったことは想像に難くない。 ![]() 柳瀬村長は、自分たちの手で独自の憲法を作り上げようとする。 「大島大誓言」と名付けられた、その写しが残っている。23の条文には、「主権在民」、「平和主義」の精神が宿る。だが、結局53日間で分離の計画は取り消され、「大島憲法」は幻となる。 ![]() 今年5月、この「大島憲法」をモチーフにした劇が公演された。戸惑いながらも、島の明日を模索する住民らの様子がコメディータッチに描かれる。 今、憲法論議が喧しい。とはいえ、どれだけの人たちが自分に関わる問題として捉えているのだろう。小さな島の憲法作りから見えてくるものがきっとあるはずだ。 ![]()
制作:TBSテレビ
取材:大野 慎二郎(TBS報道局) |
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