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![]() 京都・壬生の山本合金製作所は日本で唯一、古代からの伝統的手法で和鏡を鋳造・制作する工房だ。山本富士夫さん、晃久さん父子が、土の型に絵を描き1300℃に溶かした銅を流し込む。3ヶ月以上かかる製造工程だが、一流の職人でも2割は失敗するという。“一期一会”。「鏡は同じものは1つとしてできない」と山本さん親子は語る。 ![]() 鏡師のもう一つの仕事は、銅鏡の修理だ。朴の炭で何度もこすってさびを落とし、鏡面の小さな傷を丹念に埋めていく。これもひとつを仕上げるのに2〜3カ月かかる。平清盛ゆかりの神社から鏡の修理を依頼された。明治初頭以来、初めて神社の外に出るという鏡だ。 ![]() 晃久さんの後継者がいなければ、鏡師の伝統は消え技術も途絶えるのだが、山本さん親子は屈託がない。手鏡やペンダントなどに応用した現代風の新作を作り始めた。 一方で、山本さん父子しか作れない鏡を復活させた。魔鏡。鏡面は普通の鏡なのだが、光を当てると、反射した面に隠し絵が映り出る。かつて隠れキリシタンが使ったこともある。悪用されたため、先々代が封印した技術だった。 門外不出の職人の技が、いま市民の前に出始めた。実演や展示会。和鏡を知ってもらいたいという晃久さんの日々を通して、最後の鏡師の姿を記録する。 ![]()
制作:TBSテレビ
企画・取材:岩城 浩幸(TBS報道局) 取材・構成:清重 宗久(TBSプロネックス) |
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