![]() ![]() ![]() 長崎を飛び出し「原爆について考えた事は、ありますか?」こんな質問をしてみた。被爆地出身の私にとっては耳が痛かった…。戦後67年。その流れに抗うように、平均年齢78歳となった被爆者は、老いと病に苦しむ身体に鞭打って、語ることを止めようとしない。 ![]() 長崎市に住む松添博さん82歳。被爆者であり、画家であり、語り部である。人生の折り返し地点にたった50代半ば、世のなかに役立つ人間でありたいと思い立ち、原子野の記憶を伝えようと決意した。描いた惨状に言葉をのせて、紙芝居という形で全国から訪れる修学旅行生に数千回を超える講和をしてきた。「これが生き甲斐。身体が動く限り続ける」そんな事を思っていた去年、喉に癌が見つかった。緊急手術で声帯切除。生きるため、語り部の命である「声」を失った…。 ![]() 入院生活で体力も落ち、何もできなくなった自分に悔しさばかり込み上げたという。そんな松添さんが、被爆者としてどう生きるのか岐路に立たされる中で、1つの紙芝居を作った。被爆当時14才、ずっと胸にしまっていた、亡くなった同級生のお話だった。 ![]()
ディレクター:岩本彩(NBC長崎放送)
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