![]() ![]() 宮城県南三陸町に住む82歳の西城たけ子さん。 ![]() 震災発生から3日後の3月14日午前、壊滅的な津波被害を受けた南三陸の町に入った瞬間に眼に飛び込んできた超現実的な風景。 倒壊した自宅の前で、なすすべもなく一人立ちつくしていたのが、たけ子さんだった。 ![]() 「そこに留まっていて大丈夫ですか」と声をかけると、「二階に仏さんがいるので離れられない」と言った。 長年連れ添った夫を津波で失い、そのなきがらが二階の部屋に安置されていたのだった。 日をおいて訪ねると、たけ子さんは夫の着ていたYシャツを川で洗濯して干していた。津波で泥まみれになった、着る主のないシャツを。 ![]() たけ子さんのその後の取材で、人間が生きていく力とは何かを考えさせられる。 すり抜けてしまうその「ちから」を追う旅が始まった。 ![]()
取材:金平茂紀
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