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![]() 近代の遺産が流出する!直感的な危機感から木立先生は、それらの図案を蒐集し、分析を始めた。そこからは大正時代の"ファッション"の流行や、人々の好みが浮かび上がってきた。それを今、データベース化する作業を進め、世界で共有できる遺産にしたいと考えている。 ![]() 木立先生が学生に聞く。「どの図案が好き?」そうして選ばれた図案を、古代からの伝統的手法で「銅鏡」に仕立てたい。依頼を持ち込まれた山本富士夫さん、彰久さん父子は、伝統的な手法で銅の和鏡を鋳造している最後の職人だ。相容れることのない二つの伝統工芸の合体。初の試みが始まった。 ![]() 木立先生は、陶器が専門の考古学者だ。全国有数の陶器の産地、清水焼で知られる五条坂を歩き、埋もれていた登り窯を発掘したり、使われなくなった後もそのまま残されている窯を踏査し、その保存をうったえている。 ![]() 京都を「千年の都」と言う時、千年前の京都しか見ようとしない。千年の諸相を見ようとしないうえに、近代が最も眼を向けられていない。このままでは近代が欠落した京都像を後世に伝えることになってしまう。 ![]() 古代から続く和鏡の技術、織物、陶器、そうした伝統工芸の姿を残したい。そのために近・現代に使われていた遺産ものこし、つたえたい。木立先生の思いと、門外不出だった伝統工芸の世界、そして学生のコラボレーションが、動き始めた。 ![]()
企画・取材:岩城浩幸(TBS報道局)
取材・構成:清重宗久(TAC) |
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