東日本大震災で最も多くの犠牲者を出した港町・石巻。自身も黒い濁流に呑まれそうになった91歳のおばあさんが、数奇な運命と出会いを繰り返しながら生き抜いたその一部始終を、原稿用紙10枚に綿々と綴っていた。 取材班は"被災日記"とも言うべきその文章を映像化すべく、混乱に満ちた状況下で彼女と出会った人々を捜し、証言を得る。それによって石巻自体が経験した数日間の断片を映像化することになった。自宅に殺到する津波。二階の窓に突然現れた見知らぬ男。避難所で小学生から分けてもらった小さなビスケット。 早春の寒さの中、6度にわたり避難所を転々とする運命を甘受しながら生き抜いた彼女。待っていたのは、涙、涙の感動の再会だった。 震災発生からまもなく1年。復興の途に就いたばかりの被災地にあって、人々はあれからどれだけのものを取り戻せたのか。そして、人々は何を取り戻そうとしているのか。彼女の時間軸をたどりながら考える。
制作局:TBC 東北放送
ディレクター:石川 太郎 |
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