「在日」のコミュニティの中で生きるか、外へ出るか−。朝鮮学校の生徒は高校を卒業する時、日本の学校では考えられない大きな人生の選択を迫られることになる。朝鮮大学校への進学や在日同胞が経営する企業への就職など、「在日」の中で生きていくか。それとも在日コミュニティを飛び出して外の世界、つまり「日本人社会」に出て行くのかという選択だ。 リム・ジョンホ(林正浩)(28)とカン・スヘン(姜秀幸)(27)。彼らは、音楽を武器に外の世界に飛び出していった。 2人の武器であり、愛してやまないもの、それはロックだ。北朝鮮で演奏されることは皆無であろうロック。それを生み出すギターやベースなどは、いわば「禁断の楽器」だ。 意気揚々と日本社会に出て行った、ジョンホとスヘン。そんな2人に、試練が待ち受ける。ロックを引提げて向かったある国では、北朝鮮籍を理由に入国を拒否される。そして、バンドの解散…。 ロックンローラー、ジョンホとスヘンは、国境や人種など、目の前の様々な壁を壊すことができるだろうか。朝鮮学校を卒業した在日コリアン3世の生き方を追った。
取材・構成:志田直樹(TBS報道局)
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