![]() ![]() 山梨県早川町は、面積の96%が山林という典型的な山間の町。36ある集落のうち三分の二が、いわゆる「過疎集落」でもある。 ![]() 県道沿いの新倉から山道を登ること4キロ、山の上に小さな集落が現れる。狭い土地に住宅が密集した「茂倉地区」である。かつて、林業が盛んな頃は、鰍沢に抜ける街道沿いの集落として、また、明治末期からは鉱山が開かれるなど、昭和40年初期までは栄えたが、現在は22世帯34人しか住んでいない。しかも65歳以上が8割を占める過疎の集落だ。十代の子供は一人もいない。 ![]() しかし、こうした厳しい条件の集落であるがゆえに住民の連帯意識は強く、伝統の祭りや行事には、集落の外に住む人も駆けつけ一体となる。特に賑わうのが、お盆の恒例行事「こども相撲」。そして、春と冬の年二回行われる「人足」と呼ぶ、道路と水源の大掃除である。驚くことに、空き家となっている41軒も、区民として登録していて区費を納め、役員を務め、この人足にやってくるのだ。行事に人が集まるこの様子を茂倉独特の地域性という人もいる。 なぜ茂倉では、過疎になった今もこのような社会的共同作業がなりたっているのか、そしてそれはいつまで続くのか?四季の伝統行事を追いながら、住民やその子供達の声を聞き、過疎の集落の現実と今後について紹介する。 ![]()
制作局:UTYテレビ山梨
ディレクター:名執瞭子 |
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