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その金城には、もう一つの顔がある。靖国神社をめぐる裁判の原告としての顔だ。金城にとって3度目の靖国裁判は、日本軍とはまったく関係ないのに、靖国神社に合祀されてしまっている人々の遺族とともに、闘うものだった。 ![]() 日本軍によって避難壕を追い出されたあと、米軍の砲撃で即死した母。煮炊きの煙が標的となって母親とともに爆撃を受け死んだ2歳の弟…。なぜ、軍人でもない市民が靖国神社に祀られているのか?この民間人合祀の背景には、ある法律の存在と、沖縄特有の事情があった。遺族ら原告は、国が戦争責任をのがれるため、沖縄戦の事実を捏造した結果ととらえ、法廷に臨んだ。 その一方で、沖縄には、かつて軍国主義の象徴だった靖国神社に、傾斜していった時代もあった。当時の空気をたどると、そこには、「日本」への複雑な思いも見える。しかし、金城は、そこに鋭く切り込む。「靖国問題は、決して過去のものではない。国家の論理に引きずられた歴史に反省はあるか」と。 金城実が“靖国”にこだわる理由から、この国と沖縄の距離を考える。2010年に放送した「ちゃーすが(どうする)!?沖縄〜金城実のレジスタンス〜」の続編である。 ![]()
制作:TBS
担当:佐古忠彦(TBS報道局) |
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