![]() ![]() 先月、20年ぶりの総選挙が行われたミャンマー。軍事政権が民主化勢力を押さえ込み翼賛政党を大勝させた。選挙直後のアウン・サン・スー・チーさん解放は、自信を深めた軍政側の余裕にすら映る。 ![]() 一方で軍事政権には力で押さえ込むことのできないやっかいな相手がいる。その数134ともいわれるさまざまな少数民族だ。強力な武装組織を持つ民族も多く、辺境部に割拠して軍政と対峙してきた。軍政の次なる標的として少数民族に対する攻勢を強める可能性がある。 徹底的に海外メディアの入国を制限する軍政下にあって、少数民族地域に取材に入るのは困難を極めるが、今回、JNNのカメラは特別に許可を得て3つの少数民族を取材することができた。インダー族、カヤー族、パオ族。三者三様、独特の民族衣装や生活様式とともに見えてくるのは、軍事政権の支配に対するしたたかな対応。自分たちの実力と、軍政側から引き出せる経済的利益をシビアに天秤にかける。敢えて支配を受け入れることで平穏な生活を守る者、停戦を維持しながら自治の拡大を要求する者。それぞれの方法で"生きる道"を模索している。 ![]() 軍政側も、それぞれの少数民族に対し、硬軟織り交ぜた対応を強いられていることがうかがえる。国際的な批判をよそに圧倒的な力によって民主化勢力を押さえつけている軍政も、強硬手段一辺倒では通用しない。番組は少数民族と軍政の微妙な関係に迫る。
取材:黒河陽平
構成:岡本亜希子・井上波 |
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