![]() ![]() 昨年3月、吉松裕蔵さん(60)は、契約期間を2年半残して熊本市の嘱託職員を辞めた。自らが事務局長を務めるNPO法人「ホームレス支援の会」の業務に専念するためだ。 一昨年の秋以降、非正規雇用者の雇い止めなどでホームレスやその予備軍が急増している。また、ホームレスたちが生活の糧としている空き缶の値段が暴落するなど、ホームレスを取り巻く環境も一段と厳しくなった。吉松さんの元には、生活や雇用相談が相次いでいる。彼らに共通するのは「孤独感」。 そんなホームレスの中で、吉松さんが一番気にかけているのが塚田さん(51)。持病の胃潰瘍が悪化し最近では動く事もままならない。体重が2ヶ月間で15キロも減ってしまった。社会に迷惑をかけたくないと、塚田さんはこれまで生活保護の申請をためらっていたが、見るに見かねた吉松さんは、生活保護を受けるよう説得した。しかし、その手続きには、いくつかのハードルがあった…。 ![]() ついつい、そのハードルにめげて、再び孤独に陥ってしまうホームレスたち。自立は孤立ではなく、安心感の中で成し遂げられるもの。吉松さんはホームレス達に声をかける。 「ひとりじゃないんだよ」 吉松さんの活動を通してホームレスの現状、支援、自立するための福祉の課題、自立後の問題点を浮き彫りにする。 RKKアナウンサーが、日々のニュースの中から自ら現場に接し、それをきっかけに30分枠の番組にまとめた初めての作品が、去年、九州・沖縄地区の準大賞作に選ばれた。その後も取材を継続して、新たに番組としてまとめた作品。関東地区での放送とともに、JNN各局に素材として配信され、各地で放送される予定。 ![]()
制作:RKK熊本放送
担当ディレクター:岡村清香(RKKアナウンサー) |
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