2000年7月に噴火し、全島民が避難した三宅島。5年近い避難生活の後、島民たちは島に戻ったが、いまも火山ガスの発生が続き、島の半分は立ち入り禁止区域となっている。生活は一変したが、なかでも子供たちが「島のことをすっかり忘れてしまった」ことが、生活をより寂しいものにしている。火山を知らない子供たちが、果たして地元意識をもって生活してゆけるのだろうか・・・。 そんな三宅島の高校にひとりの理科の先生が赴任してきた。川澄隆明先生(52歳)は、大学で地質を学び、ヒマラヤ制覇なども成し遂げた自然人である。川澄先生は、三宅島の子供たちが、島のことを知らないことに愕然とし、ある取り組みをはじめる。一年生17名と、島を知り、火山を知り、防災に役立つような手作りの授業を始めたのだ。果たして、この授業によって生徒たちは、どこまで成長してゆくのだろうか・・・。半年間にわたって三宅高校の川澄先生と生徒達を取材し、地学教育と防災、人間と火山の共生について考えた。
取材・構成:桶田敦(TBS報道局編集部)
|
■ バックナンバー
|