![]() ![]() 18年前、メディアが「スゴ腕」とまで持ち上げたDNA鑑定は、未成熟で不正確なものでした。しかし、その不正確な鑑定が決め手となって一人の男性が犯人とされ、長く自由を奪われることになったのです。男性の名は菅家利和さん。幼女を誘拐して殺害した罪で無期懲役の判決を受け、これまで17年間の獄中生活を強いられてきました。 ![]() 足利事件によって浮かび上がったのは、"科学捜査"の前にひれ伏し、何の疑問も抱かなかった、捜査のプロ、司法のプロ、報道のプロたちの曇った目でした。警察、検察、裁判所と並んでメディアもまた加害者の側に立っていたことになります。 私たちTBSは足利事件をどう伝えてきたのでしょうか。事件発生の瞬間にまで立ち戻って、報道の軌跡を辿ってみました。警察発表を鵜呑みにした報道の痕跡を、当時取材した記者たちはどのように振り返るのでしょうか? そして、どんなふうに教訓としてゆくことになるのでしょうか? ![]() 警察頼みの構図が歴然と続く中、決してきれいごとだけでは済まされない事件報道の現実があります。悩める事件報道の現場から、足利事件が問いかけているものとは何だったのかを検証します。
取材:斉藤雅俊・大西裕之・小嶋修一・中島哲平
構成:秋山浩之 |
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