![]() ![]() 鈴木真依さん、25歳。統合失調症と診断されて5年になる。 ![]() 薬が減っただけではない。いくら「死にたい」といっても、浦河町では医者も仲間の患者もまじめに取りあってくれない。「それで?」と、話のつづきを要求する。死神さんに取りつかれている自分に、いったいなにを話せというのだろうか。真依さんはとまどうばかりだった。 とまどいは、やがて苦労に変わる。自分の病気がどういうものか、だんだんとそのメカニズムがみえてくる。自分は、統合失調症という病気に守られていたのかもしれない。けれど病気というバリアーが失われようとしているいま、ぽっかりと穴があいたようなこのむなしさはいったい何なのだろうか。死にたいという思いのあとに、真依さんには別のつらさが待っていた。 しかし「それで順調なのだ」と、浦河ではみんながいうのである。 ![]() 取材・報告: |
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