![]() ![]() 「平成の大合併」もこの3月で一区切り。すったもんだの末に飛び地合併となったり、東京都よりも大きな市が誕生したり、ユニークすぎる自治体名で物議を醸したり、喜劇的でさえあった合併劇の末に自治体数は合併前からほぼ半減し、1821となる。 言葉の上では合併だが、豪雪と過疎の里、新潟県高柳町の場合は吸収と言ったほうが正確だ。人口8万8418人の海の町が、人口2257人の山里を飲み込んだのだ。去年5月1日のことである。 そもそも「効率化」を動機とする合併の波は、地域の個性と風土をも奪おうとする。棚田と紙漉と夜祭の村として観光的にも注目されている里は、とても厳しい状況にあった。人口はかつての7分の一、高齢者比率はなんと50%に迫っている(44・9%)。さらに、この冬、4メートルを超す大雪に見舞われた。雪とは縁遠い海の町の行政はどう対応したのか。里の人々はいかに合併の現実を生きたのか。合併という名の効率主義下での高齢者など弱者たちの姿を追う。 |
■ バックナンバー
|