![]() 今、実名報道のあり方が問われています。疑問を投げかけているのは、ほかならぬ「被害者側の人たち」です。犯罪等に巻き込まれた方やその家族の方から、実名報道するなら「自分達の了解を得てからにしてほしい」という要望が出ているのです。 これまで警察は、事件や事故が起きた際、被害者側に「実名発表してよいですか」などとは確認せず、報道機関に実名を発表してきました。報道機関も同様に、被害者側に確認することなく警察が発表した実名をそのまま報道してきました。そこには警察とマスコミとの一種「阿吽の呼吸」があったのです。あえて実名を伏せるのは性犯罪などの被害にあった方ぐらいでした。 こうしたいわば「慣例」ともなっていた実名報道に疑問の声が投げかけられたのです。投げかけがあったのは政府の「犯罪被害者等基本計画検討会」(2005年4月〜12月)においてでした。 「報道する側」と「報道される側」。「実名を求める声」と「匿名を求める声」。「報道の権利」と「被害者の権利」。「警察・性悪説」と「マスコミ・性悪説」・・・。 番組では、犯罪被害者側、報道側の双方の立場を代表する方にひとりずつインタビューをおこないました。 松村恒夫さんは「犯罪被害者の会(あすの会)」で活動する犯罪被害者遺族です。99年11月にお孫さんを近所の主婦に殺害されましたが、そのときに被った取材被害等から、報道機関に対しては極めて厳しいご意見をお持ちです。 久保潔さんは長く新聞記者を務めて来られた方です。政府の犯罪被害者等基本計画検討会の構成員として、報道の立場から実名原則を主張されて来られました。 番組では、被害者報道をめぐるお二人の意見をじっくりと聞いていただき、どのような報道のあり方が望ましいのか視聴者の皆様にも一緒に考えていただきたく思っております。 |
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