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11月6日(月)放送
台東区三筋、ここに銀の加工、装飾を行なう工房「日伸貴金属」があります。黄綬褒章を受賞、名人と謳われる上川宗照(かみかわそうしょう)さんを中心に3男1女の家族5人で営んでいます。江戸時代末期から12代に渡り、今に技を受け継ぎます。
宗照さん「江戸時代は江戸時代の銀師としてヤカンだとか小間物ですか、銀のものを作ってたんですよ、そこからつながって我々も似たようなものをやってるわけですよ、銀師(しろがねし)として」
日本の銀器の始まりは平安時代から。高貴なものとして扱われ、江戸時代には、カンザシ、キセルなど、庶民の生活でも使用されるようになりました。当時、銀器職人は「銀師(しろがねし)」と呼ばれ、全国各地の銀師が江戸に集まり様々な銀製品が生み出されました。
今回は銀のコップ作りを紹介、家族5人で作り上げます。
まずは次男の宗光(そうこう)さんが大まかな形を作ります。印をつけた一枚の平らな銀の板を金切りバサミで切り出して行きます。
切り出した銀を炎で焼いて柔らかくする「焼き鈍し」を経て、冷ました銀に木槌を当て形にする「打ち起こし」で立体的に起こしてゆきます。
大まかな形になったら、長男の宗伯さんの出番。こちらの当て金の曲線を利用して、今度は金槌で器の形に打ち出して行きます。銀の板を大きくよせる時には「木槌」、小さくよせる細かい作業には「金槌」と使い分けます。
簡単にやっているように見えますが、振り下ろす位置が重要。当てがねと銀が接している少し上を狙って打ち続けます。
こうして形にすると、三男の宗達(そうたつ)さんが細かいヘコみをならしていきます。
父であり師匠は一体どんな存在なんでしょう?
宗達さん「カリスマというか、仕事をしている姿がカッコいいっていうのが1番」
打ち出しでの形が決まると長女の宗智(そうち)さんが「研磨」。
砥石で磨くことで銀特有のツヤが生まれます。
最後に模様をつけます。ここに父・宗照さんが名人と言われる技法があります。無数にある細くまっすぐの線。これは「ゴザ目打ち」と呼ばれるもので、小判の装飾などに用いられたもの。
「銀師」の中でもこれだけまっすぐ緻密に打つ事が出来るのは、宗照さん以外にほとんどいないそう。
家族5人で何万回も打ち込んで出来た銀のコップ。味わいも一味違います。
宗照さん「同業者でも4人継ぐ人はいない、1人、2人というのは何人かいますけど、4人というのは恵まれています」
12代にわたり受け継がれている技術。これからも大切に守り続けられるといいですね。