人物デザイン・柘植伊佐夫が語る『ヘブンズ・フラワーの世界』

第2回「新東京区、生きる人々」

人物デザインのキーアイテム 「 カッパ 」

第七地区は貧困層ですが、寒冷化し始めているであろう当時の環境に対して、安価に手に入る 「 カッパ 」 を着用している住民を多く設定しています。また頭部を覆い隠すように布なども巻いています。この < カッパと巻き物 > というスタイルを第七地区の基本ルックに置き、そこから派生したスタイルとして片桐の医師姿、< 白衣と巻き物 > を生み出しています。ドラマの冒頭、砂漠化した2080年の日本を流浪するハルの姿にも、この影響が色濃く現れていますね。そのハルを襲う青年はアーミーカラーでポンチョ型のカッパを着用しています。安価なカッパは第七地区に普及していますが、イチロクなどはより高価な雨具やコートを着用する設定です。いずれにしてもこの 「 ヘブンズ・フラワー 」 の世界にとってカッパは欠かせないキーアイテムなんですね。ラストガーデンに拾われた子供たちのユニフォームもカッパです。そこをやりくりするナルキや、指令のシオン、アイたちはまだ着用していませんが、これからそのようなシーンが現れるかもしれません。

さて人物デザインについてもまだまだエピソードがありますが、舞台背景のお話とともに三話以降に書きたいと思います。皆さん、ひきつづき 「 ヘブンズ・フラワー 」 楽しんでくださいね!

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