人物デザイン・柘植伊佐夫が語る『ヘブンズ・フラワーの世界』

第2回「新東京区、生きる人々」

アルカナ arcana

日本政府が川崎エリクサーで秘密裏に行っていた実験、「 竜脳菊の種を変異させる実験 」 については前回ここでお話しました。日本政府はこの実験によって生み出されたこの新種の暗号名を 「 アルカナ 」 と名付けました。このドラマのサブタイトル 「 The Legend of ARCANA 」 はこれに由来するわけですね。

アルカナは軍事目的で開発されていましたが、その製造過程で大量な塗料を必要としました。それは 「 ルミナール80 」 と呼ばれる蛍光物質で、竜脳菊の種に素粒子を反応させる際に使用した触媒です。旧川崎市内にはその生産工場が川崎エリクサーをとり囲むように林立していました。素粒子、竜脳菊の種、ルミナール80はアルカナを生むための三種の神器だったのです。アルカナは、2047事件=川崎エリクサー爆発によって飛散したのかその行方がわからなくなりました。またこの地域で生産されていたルミナール80も大量に飛散し、深刻な汚染を引き起こしました。これが現在の日本の食料危機の原因と考えられています。植生にだけ影響するアルカナと違い、ルミナール80の毒性は人体にも悪影響を与えました。

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