インタビュー

竹野内豊さん(宮本良一役)

原作はお読みになられましたか?

実は読んでいないんです。最初、スタッフさんから借りて少し読ませていただいたのですが、過去に原作を読んで作品に引っ張られたことがあったので、あえて読まなくてもいいのかなと。
綾瀬さんから「本、貸しましょうか?」と言っていただいたのですが、理由を話してお断りしたら「それなら読まないほうがいいですね」と笑顔で言われました(笑)。
漫画を実写化するにあたっては、今回は(原作を)読まずに自分の想像で、良一さんを作っていけるといいなと思っています。

脚本を読んだ感想

日常に起こる喜びや悲しみを全力で共有していく家族の姿がすごくあたたかくて、いい話だなと思いました。
家族の以外のところでも、綾瀬はるかさんが演じる亜希子の会社で浅利陽介さんが演じる部下が亜希子を一途に想いすぎている一生懸命さや、おっとりした良一さんと浅野和之さん演じる上司とのやりとりでもおもしろい描写がたくさんありました。あとは、佐藤健さん演じる麦田が今後どのように宮本家に関わってくるのか…楽しみですね。
実は今回、良一さんの上司を演じてくださっている浅野和之さんと共演するのが、自分のドラマデビュー作以来なので、とても緊張しています(笑)。あの頃は、何もわからなくて、演技もはじめての体験だったので、現場で厳しく怒られたりしていて…それ以来なので…。

脚本・森下佳子さんから役柄に関して要望はありましたか?

特に求められるものはありませんでした。昨年、お食事をご一緒したのですが、終始観察されているような気はしました(笑)。雑談しているんですけど、作家さんのアンテナが張っているというか、素の自分を見られている気がして困りました(笑)

演じる宮本良一はどんな人?

良一さんは、妻と死別してから、男手一人で娘を育てた実は男気ある人。そして、日常に起こるささいな偶然も奇跡と思えるのんきな、幸せな男だなと思います(笑)。いつも笑顔でニコニコしていて優しい人ですが、徐々に男らしさも現れてくるのでそこを楽しみにしていただきたいです。これから綾瀬さんと演じていく中で、原作を超えられるようなキャラクターになればいいなと思っています。
良一さんは、幸せを感じるレベルが本当に低いんですよ。そんな彼がうらやましいなと思います。自分は7が4つ並んでいるのを見て感動はできないですよ(笑)。それで「奇跡だ!」と心から喜べる良一さんのように生きられたらいいですね。これも才能だと思います。

良一を演じるにあたって

自分自身は、良一さんのように、小さな奇跡を見つける才能がないので、演じるにあたっては、なるべく明るくいるように心がけています。自分自身の日常で、彼のようにテンションをあげることがないので、早朝からの撮影のときは、テンションをあげるのが大変です(苦笑)。あとは、演じるにあたって、娘・みゆきを演じる(横溝)菜帆ちゃんにはとても助けられています。本当に彼女が純粋でかわいらしい。もう…たまらないですよ。父親になった疑似体験を今、楽しんでいます(笑)。

娘・みゆきちゃんを演じる横溝菜帆ちゃんの印象は?

すごく純粋で素直な子なので、彼女の内面の中から出てくるものがカメラに映れば、素敵なみゆきになるだろうなと思っています。
スタジオでの撮影初日、菜帆ちゃんが緊張している様子だったので、スタンバイ中に目と目が合ったとき、ウィンクをしてみたんです。そしたら真似をして返してくれるんですよ。最初は両目を瞑ってしまって、うまくウィンクが出来ていなかったんですけど、だんだん上手に出来るようになってきて…今は目と目が合ったら、じっと見つめて、菜帆ちゃんからウィンクしきてくれます…やられました(笑)!視聴者の皆さんたちにも見せてあげたいなと思うくらい、可愛い!
一緒に芝居するシーンも多いので、最近は菜帆ちゃんと仲良くなってきました。本番前のリハーサルで、2人で遊びながらお芝居しています。それもまた、たまらなく可愛い!「今の、本番でもやってよ!」とお願いするんですけど、恥ずかしがってやってくれないんですよね…。なんとか自分が菜帆ちゃんのより可愛い部分を引っ張り出すことが出来たらいいなと思っています。

宮本みゆきはどんな人?

お母さんと大切な時期に死別してしまいましたが、生前のお母さんからたくさんの愛をもらって育てられた女の子なので、とても優しい子です。宮本家の中にある絵は実際に菜帆ちゃんが描いた絵だそうなんですが、その絵の色使いからも、すごく優しい子なんだなと伝わってきました。みゆきちゃんは、生意気なところもありますが、みゆきが本来もっている優しさと菜帆ちゃんの優しさが演じるうえで共通するところなんじゃないかな。亜希子さんと今後どういう風に触れ合って、変わっていくのか、楽しみですよね。

みゆきと亜希子のバトル

どう考えても家族のなかに異物がはいってきたようにしか思えないですよね(笑)。
亜希子さんのような女性がいたら、ちょっと引いてしまうかな?ましてや、そういう女性が「明日からあなたの母親になる人だよ」と紹介されたら、ちょっとかわいそうだなと思いますよね。また亜希子さんを綾瀬さんがすごくキャラクターをかためて演じているので、客観的に観てもすごく面白いです。亜希子とそのほかのキャラクターとの対比が面白い。ドラマの登場人物みんなが一生懸命生きていて、そこがまたこのドラマの笑えて時には泣ける、見どころだと思います。

岩木亜希子という人

亜希子さんは、本当にすべてにおいて一生懸命に生きてきた人。けれど、唯一恋愛に関しては触れることがなかった人なのかな。彼女の履歴書が作品中に出てくるんですけど、経歴を見ると本当にすごい。ちゃんと細かく経歴が書いてあるので、ドラマでチェックして欲しいです。
亜希子さんの一生懸命さというのは、純粋にみゆきを幸せにしてあげたいという一途な思いだけ。人に対して、心から幸せにしてあげたいと思える人は、すごく素敵な人だということは間違いないと思います。本当に一生懸命なんですけど、どこかおかしいので、みゆきも引いちゃうんですよね…また空回りというのが面白い。亜希子さんはかわいそうですけどね(笑)

綾瀬はるかさんとは初共演とのことですが、どのような印象ですか?

綾瀬さんの作品を拝見させていただいた印象はストイックな方なのかなと。実際にお会いすると、すごく穏やかで、人によって態度を変えないところがすごく素敵だなと思いました。綾瀬さんが現場にいると空気が変わるといいますか、キャストもスタッフもみんな笑顔になりますね。

視聴者にメッセージ

私が演じる良一はリレーで例えると中間走者だと思います。信頼できる亜希子さんにバトンを託すべく、とにかく一生懸命に走って、丁寧にひとつひとつのシーンを作り上げていけたらいいなと思います。
このドラマは、登場人物たちが一生懸命にもがきながら、血縁関係がなくても日常に起こる、悲しみや喜びを共有していく、そんな素敵なドラマになっています。ぜひご覧ください。

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