インタビュー

台本を読まれた感想を聞かせてください。

受験しなかった人もした人も、今、親である人も子どもも全員が楽しめる、全員が考えることができる、すべての人にあてはまる物語だな、と思いました。

「下剋上受験」が実話だと聞いて、桜井信一さんの印象をどのように感じていらっしゃいますか？

大人になってから、よきタイミングでもう一度勉強しなおしたい、というのは誰もが考えるのではないでしょうか。だけどそれを実際に実行に移す人はなかなかいないし、そういう意味ではすべてをかなぐり捨てて勉強した桜井さんは本当にすごいと思います。
ぼくは「原作者」である「桜井信一さん」にはお会いしたことがないので、ぼくの中での「桜井信一さん」は阿部サダヲさんが演じていらっしゃる桜井さんなので、「ものすごく面白い人だ！」というイメージしかありません（笑）。

中学受験がテーマですが、風間さんは勉強に対してどうお考えでしたか？

ぼくは小学生の頃、勉強が出来たので「授業さえ受けていればテストなんて別に苦労しないよ」というイヤなヤツでした（笑）。でも中学に入った頃からこのお仕事をさせていただくようになって、勉学よりも面白いものを見つけてしまって、勉強はおろそかになっていく、そんな人生でした。勉強のシーンが多い阿部さんやプロデューサーたちから「中学の受験問題は難しい」と聞いているのですが、撮影現場で大人たちが見ても全然わからないらしいですね。

演じていらっしゃる「楢崎哲也」という人はどういう男性ですか？また、演じる際に意識していることなどありますか？

楢崎は中学受験をしてエリート街道を進んできたんですけど、そんな自分の人生にも悩んでいたんだと思います。そんな時に全然違うアプローチで生きてきた人たちと出会って、今まで失ってきたものを学んでいく人です。
ぼくは「この役だからこうしよう」ということはあまり考えずに、現場に来てから周りの方と合わせていくようにしています。どちらかというと受けるタイプの芝居ですので、今回は芸達者の面白い先輩たちに翻弄されています。

信一さんの会社の後輩ということで、阿部さん演じる信一さんとのシーンが大半ですね。

ですからぼくは仕事のシーン、それから桜井さんの中卒仲間たちが揃う「ちゅうぼう」という居酒屋のシーンがほとんどです。この「ちゅうぼう」のシーンはわきあいあいとしていて本当に面白いんです！阿部さんだけでも面白いのに、そこに皆川猿時さんが加わってリミットオーバーという感じです（笑）。
意地悪な見方をしないでいただきたいんですけれど「ちゅうぼう」のシーンでは、若旦那さん、岡田浩暉さん、川村陽介さんという芸達者な方々が揃っていますが、探せば笑いをこらえている人がいると思います。でもテレビの前でご覧になる皆さんは我慢しなくていいので、大きな声で笑っていただきたいです。

そんなに面白いことが起こっているんですか！？

そうなんです！台本をいただいて、早速読んでみて「面白い！」と思うじゃないですか。だけど現場ではそれの7倍くらい面白いんです！見てくださる皆さんも「ここが面白い！」と思ってくださると思うんですけれど、放送ではたぶんずいぶん削られています。もっともっと面白いことがたくさん起きていて、毎回の放送時間を伸ばして欲しいくらいです。
とにかく阿部さんのお芝居が面白いんです。ぼくはお芝居をしていて、そんなに笑ってしまったり笑いが止まらなくなったりする方ではないのですが、今回は笑ってしまってＮＧになってしまうこともあります。一緒になってはしゃぎたくなるんですけど、楢崎はそういう役ではありませんし、ぼくまで入ってしまったら収拾がつかなくなってしまいます。阿部さんはもちろんですが、桜井さんの中卒仲間役の皆川猿時さん、会社の上司役の手塚とおるさんもとても面白くて、どこから面白い球が飛んでくるかわからないので、笑ってはいけないシーンで笑わないように我慢するのが大変です。

ご覧になる皆さんにメッセージをお願いします。

この冬、すごく温かい気持ちになれる物語です。笑って家族で話し合いたくなるドラマになっているし、今までの自分を肯定出来る、そんな気持ちになれると思いますので、多くの方に見ていただきたいなと思います。