現場レポート
vol.3 康介がチャツミになった!?
ほどなく、橋爪さんとチャツミがそぞろ歩くカットから撮影開始です。「感謝しろよ、散歩してやってんだから、このバーカ!」とセリフを言いながら歩く橋爪さん。配信している完成映像では、このカットの次は康介チャツミが「オレがお前を散歩してやってんだ、バーカ!」となりますが、撮影では橋爪さんが映るカットから順番に消化していきました。そう、康介チャツミがしゃべっているようなカットは、その後にまとめて撮影したんですね(出演者の順番としては、橋爪さんの次に山崎静ちゃんバージョンを撮影し、茂バージョンが最後の撮影でした)。
で、この康介チャツミの撮影が、ちょっと手のかかったところ。なんといっても、監督やスタッフの思うとおりになかなか動いてくれませんからねぇ。そこをどうやったら動いてくれるか? がこのような動物モノ撮影において、スタッフの腕の見せ所! そうそう、どうやって康介チャツミがしゃべっているように演技させたか、みなさんわかりますか???
それには、2つの方法があるんですね。その一つは、チャツミを怒らせて吼えさせる方法。そしてもう一つは、エサをあげて口をもぐもぐさせているところを撮影するというものです。「茂編」の冒頭部分が、エサをあげて撮影したものですね。あ、怒らせるといっても、叩いたりするのではないですよ。チャツミは動物プロダクションで訓練を受けていますから、トレーナーさんの合図で怒る動作をしてくれるんです。しかし、ある程度の訓練は受けていても、自分の周りに気を引くモノや気になるモノがあると、どうしてもスタッフが望んでいる動きをしてくれないもの。多摩川の土手はジョギングをしている人や、散歩をしているワンチャンも多いですからね。そこをうまく隠しつつ、チャツミをなだめつつ撮影されたわけです。
そんなスタッフの苦労も想像しつつ、あらためて配信されている動画を見ていただくと、また少し見え方が変わってくるかもしれませんヨ。