ザ・お茶道
番組でお茶指導を担当する“極茶人”比留間嘉章氏が、お茶に関するウンチクやよもやま話を紹介するコーナー。ここをチェックすれば“お茶ツウ”になれる!?
第11回目のテーマ 美味しいお茶の淹れ方
美味しいお茶の入れ方で気にしたいポイントは、大きく分けて「水の質」「茶葉の量」「お湯の温度」「抽出時間」の4つ。まず水の質は、日本茶に関しては軟水がよいとされています。国内の水道水でも、5分ほどしっかり沸騰させれば塩素やカルキ臭を除けるので、特に問題はないでしょう。
中でもいちばん重要ことは、ズバリ「お湯の温度」です。お湯の温度に気を使うことで、誰にでも美味しいお茶を淹れることができるのです。
なぜお湯の温度が大切かというと、それは茶葉の中に含まれる旨み成分のアミノ酸と、渋み成分のカテキン(=タンニン)に関係します。
旨み成分のアミノ酸は、比較的低い温度の50度でも茶葉から溶け出しやすく、カテキンは80度以上の温度で溶け出しやすいので、玉露や上級煎茶のように旨み成分を多く含む茶葉なら、低い温度のお湯で淹れたほうが、旨み成分をより引き出すことができるのです。
玉露でしたら50度で抽出時間2分半、煎茶でしたら70度で2分(深蒸し茶は1分)程度が基本的な淹れ方です。
一方、番茶やほうじ茶の場合は、アミノ酸の旨みを楽しむのではなく、香ばしさやサッパリとした渋みを楽しむものなので、熱いお湯でサッと淹れるのがよいとされるのです。
しかし、ここで紹介したお湯の温度や抽出時間は、あくまでも目安なので、ご自身でいろいろと試して、自分なりの“美味しいお茶の淹れ方”を試してみてはいかがでしょうか。「あなたの淹れたお茶っておいしいね!」と喜ばれたら、ちょっとうれしい気持ちになるはずですヨ。
比留間嘉章(ひるまよしあき)プロフィール
1977年に「茶の世界」に入ると、深蒸し茶の製造を中心に手揉み茶、微発酵煎茶の製造に取り組む。氏が作り上げた究極の淹茶法「八重奏(ヤエノカナデ)」は「これがお茶の味か!?」と、誰もがビックリするはずだ。
全国手もみ茶振興会理事、埼玉県手揉茶保存会会長、狭山火入れ保存会会長、全国手もみ茶振興会認定師範、
日本特産農産物マイスター「手もみ製茶」、日本茶業中央会認定「日本茶インストラクター」
HP「極茶人のこだわり」http://hiruma-en.ddo.jp/