2018年8月11日 夜9時〜
香港は男女とも世界最長寿の街ということにも注目し、取材をしてきました。人口密度が高い大都市で、健康長寿の方が多いのはどうしてなのか、私自身とても興味がありました。健康に直結するものと言えば食事ですが、健康長寿食と言っても過言でないのが毎日飲むスープで、その奥深さにこれは凄い!と思いました。大きな病気にならないための予防に、そしてちょっとした体の不調はスープを飲んで改善するという習慣があるのです。体にいいものを摂るということに加え、スープで胃を温め栄養を良く吸収できるようにすることも大切なのだそうです。市場の方たちの知識も豊富で、便秘にはこれ、目の疲れにはこれとアドバイスをしてくれます。また香港の方たちは、夏でも冷たいものをあまり摂らないということも驚きでした。でも健康のために我慢しているという感じではないのです。幼い頃から体を温める習慣が身に付いているのですね。
健康長寿の秘訣を教えてくださった楊さちこ先生(左)
「市場で捌きたての鶏肉を買いました
肉も新鮮で生き物の命のエネルギーが残っているほど
食材としていいそうです。この鶏肉もまだ温かかったです(笑)」(坂本さん)
そして香港の方たちにお話を伺っていると、健康に良いことをしていても、無理はしていないなとも感じました。これをしなきゃいけない、これをしちゃいけないと凝り固まった感じがないのです。みなさん自分ができることを、楽しみながらしている。だからストレスにもならないのでしょうね。そんなところも長寿の秘訣かもしれません。
香港でよく飲まれているスープを作ってくださった
楊先生とご主人
一方、マカオの食も独特でした。ポルトガルだけでなくアフリカやアジア各国の料理が融合していて、どれも美味しかったですね。マカオの街を歩くと、ヨーロッパ風の建物が数多く残っているのが印象的ですが、新しい建物も増えていましたし、開発も進められています。
そんななか、ミゲル・デ・セナ・フェルナンデスさんのお話はとても興味深かったです。祖先がポルトガル人だった方をマカオではマカエンセと呼ぶのですが、ミゲルさんはそのお一人。ミゲルさんは、今では数十人しか話す人がいないというマカエンセの言葉を後世に残す活動をしているのですが、悲観的なことは一切おっしゃらなかったのが素敵だと思いました。先人たちが遺した文化に敬意を持ちながらも、時代と共に変化していくのは自然なことと受け止めている。マカオの街の魅力に通ずるものがあると感じました。
ブルーのタイルが美しいこの建物は、何と役所の本庁舎
ポルトガル統治時代はマカオの市役所だった
マカエンセに伝わる「パトワ語」の
劇団を主宰しているミゲルさん