2018年2月24日 夜9時〜
空海の逸話は、その非凡さを物語るものが多いですし、1200年も前ということもあって、実在した人物ではあるけれど、伝説や神話のように受け止めていた気がします。そんな中、空海の謎についてさまざまなことを教えてくださった空海研究の第一人者、藤谷厚生先生のお話は、とても興味深いものでした。先生のお話はとても分かりやすく、お話を伺っていくと、これまでよりずっとリアルに空海という人物を思い描けるようになりました。
唐から帰国した空海はその功績が認められ
東大寺の別当になったと伝えられる
例えば、言語の違う中国へ渡り2年で密教を会得したという結果だけを聞くと、凄い、天才、信じられないという言葉しか出てきません(笑)。でも藤谷先生に、その過程を教えて頂くと、なるほどと腑に落ちるのです。超人的な能力を最大限の努力で活かした結果、偉業を成してきた空海の姿が見えてきました。
空海が真言密教の道場として開いた高野山
これまで空海は何でもできる天才という漠然としたイメージだったのですが、取材をしていく毎にどういうところが凄いのか、具体的に分かってきました。特に今回スポットを当てている時期は、空海の人生が劇的に変化をしていくので、取材先で伺ったお話はとても面白かったです。空海のご両親は、幼い頃から秀でていた息子が高官になることを望んでいたそうですが、単なるエリートに収まる人ではなかったのが今は良く分かります。類稀な能力と行動力をもって志を成し遂げてきた空海の姿をご紹介できると思います。