2015年9月26日 夜9時〜
モスクワ、ソチと今回でロシアは3度目なのですが、今まで一番現地の方たちとの心の距離が近く感じられました。欧米などで街頭インタビューをすると、みなさんサービス精神旺盛で会話を盛り上げてくれますし、「○○は素晴しいですね!」と言えば、「そう、私たちの誇りです」という反応が多いのですが、シベリアではその逆(笑)。カメラが近づいていくと、私はいいですと微笑んで立ち去るようなシャイな方、褒めても、「そんなことないですよ」と謙遜する方が多く、日本と似ているなと思いました。
湖畔の寺院
遊牧騎馬民族だったブリヤートの人たちは
古くからチベット密教を信仰している
特に昔からバイカル湖畔で暮らしてきたブリヤートの方たちは、顔も日本人とよく似ているのでとても親近感を感じましたね。思わず日本語で話しかけたくなってしまうほどでした。ブリヤートでは、国立オペラ・バレエ劇場でバレエの芸術監督を務める岩田さんにインタビューをさせて頂いたのですが、岩田さんも初めてブリヤートへ来た時に温かいものを感じ、暮らすにつれ日本と近しいものを感じるとおっしゃっていました。岩田さんはバレエ団に新たな風を運んできてくれたとブリヤートの方たちにも尊敬されています。そんなことを知るとますますブリヤートに親しみを感じてしまいますね。そしてブリヤートの方たちは、日本人を含む東アジアの人々のルーツという説もあるのです。
ボリショイバレエ団初の外国人ソリストとして
活躍していた岩田守弘さんは引退後に
ブリヤートの国立オペラ・バレエ劇場でバレエの芸術監督に就任
今回の取材を通して最も心に残った言葉は、ブリヤートの長老がおっしゃった「バイカル湖は生き物」という言葉です。取材をしていて日毎にこの言葉の意味が少しずつ実感できた気がしますし、はるか数万年ものあいださまざまな命を育んできた湖を‘生き物’として敬ってきた人たちの考え方がスーッと心に入ってくるようになった気もします。シベリアの奥地は、行ってみると思っていたほど日本から距離が遠くはありませんでした。そしてそこで暮らす人たちには精神的にも近さを感じ、共感できることが多いと知りました。バイカル湖の自然やミステリーとともに、そういったところもお伝えできれば嬉しいですね。
ブリヤートの人たちが聖地と崇める島で儀式を体験
「最初は霧が多くなかなか湖がクリアに見えなかったのですが、
儀式を終えてからだんだん晴れるようになったのです
バイカル湖に受け入れてもらったように思えてとても嬉しかったですね」
(出水さん)