2014年12月13日 夜9時〜
ミステリーハンター・白石みきさんに
今回の取材で印象に残ったことをお聞きしました。
番組でご紹介した通り、東京駅・丸の内側の赤レンガ駅舎の屋根には、1914年の完成当時から、宮城県・雄勝町産のスレートが使われていました。それから100年後の駅舎復原の際も、この町でスレートが作られ納品される予定でした。しかし復原工事が終わりに近づいた2011年3月11日、東日本大震災が起こります。発送予定だったスレートは、保管されていた小屋ごと流されるという事態に…。
今回のレポートで、このスレートを作った会社の四倉さんを訪ねたミステリーハンターの白石みきさん。そこで伺ったことは、深く心に残ったそうです。
「取材で四倉さんのお宅へ伺うと、温かく迎えて下さって、色々お話をして下さいました。でも、東京駅で復原されたスレートをご覧になった時の感想をお聞きすると、今でも震災当時のことが蘇ってくるからと、言葉に詰まられて…。津波で流された工場のあった場所まで行くガソリンも無かったこと、寒いけれど、まだお風呂にも入れないような状況だったこと、そんな中で、流されてしまったスレートを会社のみなさんで一生懸命に見つけ出して、きれいにしていったことなどを話して下さったんです」(白石さん)
ご自身も被災しながら、会社の方々と駅舎復原に
尽力された四倉年思也(としなり)さん
ほかにも四倉さんが「スレートから声が聞こえるようで…」といって、話して下さった内容も印象深いものだったそうです。
「津波で一度流されてしまったスレートが、まだ使えるのかもう使えないのか?それを確かめるに、まずは泥を洗い流し、トントントンと叩いて試したそうです。その音によって、スレートがまだ生きている、使えるものであるかどうか確認されたのだと。その時の響きを、四倉さんはスレートの声と表現されたんです。スレート工場のみなさんやこの町の人たちも、あ、この音だ!と、生きたスレートの声が聞けると、それで元気になれたり、頑張らなくてはと思えたりしたそうです。いつも聞いていたその音に励まされたと仰っていました。」 (白石さん)
取材の終わりに、四倉さんは白石さんにスレート2枚をプレゼントして下さいました。
「スレートを洗って冷蔵庫で冷やしておくと、とてもおしゃれな器になるんですよ」と教えて下さったそうです。
「大切にして、特別な日に使わせて頂こうと思っています」(白石さん)