2014年11月8日 夜9時〜
フランスのお城は、ヨーロッパのいろいろな国がお手本にしていたと言われています。ですから斬新な設計も魅力です。アンリ2世亡き後、ディアーヌが住んでいたお城にある礼拝堂は、白と黒を基調にしたシックなデザインでとても印象的でした。モノトーンは現代的な色使いだと思っていたので、今から500年くらい前の女性が白と黒を好んだなんて意外でした。それまで白だった喪服に黒を取り入れたのもディアーヌが最初だと言われています。お城は伝統を受け継ぐ場であると同時に最先端の流行を発信していたんですね。
フランス原産の猟犬フランセ・トリコロール
シュベルニー城の城内で飼われている
古城にはフランスの伝統が息づいている
ロワール渓谷は、イタリアが誇る天才レオナルド・ダ・ビンチ終焉の地でもあります。ダ・ビンチゆかりのアンボワーズ城とクロ・リュセ城は、他のお城よりイタリアから来た人たちがたくさんいました。ダ・ビンチがフランスに移り住んだのは64歳。当時としてはかなり高齢で体は衰えていたと思うのですが、頭も情熱も衰えてなかったようでフランス国王フランソワ1世の依頼で大きなプロジェクトに着手していました。世紀の大天才には悠々自適の楽隠居など魅力がないのでしょうか(笑)?凄いですよね。
レオナルド・ダ・ビンチをフランスに招き
手厚く庇護したフランソワ1世が暮らしたアンボワーズ城
ダ・ビンチと弟子が住んでいたクロ・リュセ城
アンボワーズ城のすぐ近くにある
アンボワーズ城は、フランス歴代のフランス国王が暮らしたお城ですが、城内の礼拝堂にダ・ビンチが埋葬されています。ダ・ビンチはフランスに移り住んでわずか3年で亡くなってしまいました。望郷の想いがなかったわけではないでしょうが、そんな形跡はほとんど見られません。単に庇護を受けていただけなく、王からの厚い信頼と心からの敬愛をも受け、自分のしたいことをしたいようにできたのですから幸せな最期だったと思います。でもイタリアの方たちはどう感じるのでしょうか?ちょっと複雑な想いもあるかもしれませんね。
フランソワ1世が築いたシャンボール城
フランス・ルネサンスの集大成とも言われる
この城にもさまざまなエピソードがある