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「幸せ」が何かを知るブータンの人たちが
大切にしていることとは？

ティンプーで仕事をして自立している同世代の女性たちとお話をする機会があったのですが、あまりにもしっかりとしていて正直自分が恥ずかしくなってしまうほどでした。素敵な服に興味があって、おいしいものを食べるのが好きで、彼氏がほしいと思っていて、とここまでは日本の同世代と同じなのですが…。みなさん常に家族のことを思い自分が役に立つことを目指しているんです。親に仕送りをしたり、兄弟の学費を出してあげるといったことを当然のようにしていて、それが彼女たちの喜びであり幸せなんですね。家が裕福じゃないから仕方がないというネガティブさがないところに、もうびっくりでしたよ（笑）。それに比べなんと自分は楽天的かと。

大学時代に授業で人間の幸福について考えることがあって、そのとき「幸せの国」といわれているブータンの例も挙がったんですね。その時の私は、ブータンには物も選択肢もあまりないから幸せでいられるんだ、日本人がブータンで暮らして幸せと感じるとは限らないと考えていたんです。でも今回取材をしていくなかで、ブータンは幸せだと感じるために大切なことがすべて揃っている国だと思えました。そしてそれをみなさんが大切にしている国だと思います。

ブータンの一番素敵なところは、思いやりに溢れていることだと思いました。自分のことだけを考えるのではなくて、常に家族や周りの人たちのことも思いやる。だから必ず自分のことを思ってくれている人たちがたくさんいることも知っている。ブータンの人たちは、孤独や孤立を感じることが、ほとんどないのではないでしょうか。そして何か壁にぶちあたった時に心の拠り所となる信仰があります。取材をしていて、みなさんの信仰の篤さにも感銘を受けましたね。毎朝出社前に1時間の読経ですよ！私だったら絶対その時間分寝てる（笑）。ライフスタイルが変わっても幸せの核となる伝統的な考え方や習慣は大切に守っている、だからこそみなさん幸せを感じているんだと思いました。